皆さん、こんにちは!冷凍生活アドバイザーの西川剛史です。
先日、大塚食品の下味冷凍調味料「メインディップ」という商品をご紹介しましたが、ご覧いただけましたでしょうか?(前回の記事はこちら)
今回はその続編として、いま「下味冷凍」の世界で大きな注目を集めているアイテムを深掘りします。それが、理研ビタミン株式会社から発売されている「下味冷凍用おかずの素 パッとジュッと®」です。
私はこれまで、数多くの下味冷凍レシピを考案し、本も出版してきましたが、この商品は注目の存在です。冷凍専門家の私がこの商品を深掘りし、実際に調理してみた感想と解説をしていきます。
1. 理研ビタミン「パッとジュッと」とは?その正体を解明!

理研ビタミンがこの製品を発売したのは2025年3月5日ですが、開発した背景には、家庭における「下味冷凍」の普及と、それに伴うユーザーの不満点の解消があります。
下味冷凍は家庭で食材を冷凍する「ホームフリージング」の中でも人気の冷凍術です。肉などを調味料につけて冷凍すれば、調理の際は時短になることが人気です。そして、調味料でコーティングすることで、冷凍保存時の乾燥や酸化から食材を守ってくれるので、美味しく長く冷凍保存ができる点も魅力です。
解凍不要で凍ったままフライパンで加熱調理ができる
理研ビタミンのプレスリリース「お肉を冷凍ストック!解凍なしで焼ける!下味冷凍用おかずの素『パッとジュッと®』シリーズ新発売」(理研ビタミン リリース)によると、従来の下味冷凍においてユーザーが最も負担に感じていたのは「調理前の解凍」でした。

「パッとジュッと」は、この解凍工程を省き、「凍ったままフライパンで加熱調理ができる」ことを最大の機能として打ち出しています。凍ったままの肉をフライパンに入れ、少量の水を加えてフタをし、「蒸し焼き」にすることで、中はふっくらと火を通すことができる設計になっています。この「解凍工程の削除」は、タイムパフォーマンス(タイパ)が重視される現代において、人気の要素と言えるでしょう。
2. 独自技術「肉ピタソース」がもたらす魔法の食感

「冷凍のまま焼くと、肉が硬くなってパサパサになるのでは?」という心配をされる方も多いはずです。特に鶏むね肉は、冷凍・加熱によるドリップの流出で、食感が損なわれやすい部位の一つです。
ここで活きてくるのが、理研ビタミンが長年培ってきた「ドレッシング」や「調味料」の技術です。この商品には特許出願済みの技術を用いた「肉ピタソース」が採用されています。
冷凍専門家の視点で解説すると、肉のパサつきの原因は、細胞内の水分が氷の結晶によって破壊され、加熱時にその隙間から旨味成分と一緒に流れ出してしまうことにあります。この「肉ピタソース」は、お肉の表面に高粘度のソースがピタッと密着。加熱中に「保護膜」のような役割を果たし、水分が外に逃げるのを防ぎます。その結果、安価な鶏むね肉でも、しっとりとジューシーな仕上がりになるという理論です。
3. 全て鶏むね肉を想定した3つのバリエーション


現在、この商品は3つのフレーバーが発売されています。下味冷凍は家庭でゼロから作ろうとすると、調味料の購入や計量、混合などに時間がかかりますが、市販の下味冷凍調味料はそれらの手間がなく、1袋で味が完璧に決まるのが魅力です。
発売中の商品は以下の通りです。
・ねぎ塩麹チキン用:塩味まろやかな塩麹とねぎの風味をアクセントにした味が鶏肉と相性バツグン!ねぎとニンニクの風味でご飯が進む味に仕上げました。
・炭火焼き風照り焼きチキン用:定番の甘旨い醤油ソースに隠し味のみそが効いたコク深い味わいです。家では作れない炭火焼きの香りが食欲をそそる、照り焼きチキンに仕上げました。
・甘旨ヤンニョムチキン用:コチュジャンやニンニクから作る旨辛ソースを絡めた鶏肉メニューです。トマトケチャップの甘みを活かして家族みんなで楽しめるヤンニョムチキンに仕上げました。
そして全て「鶏むね肉」が対象の下味冷凍調味料になります。物価高が進む中、鶏むね肉は安価で家計の味方ですが、パサつきやすく、固くなりやすいので苦手意識がある方もいらっしゃると思います。それが鶏むね肉を想定して作られている調味料なので、誰でもおいしく仕上がるのがアピールポイントだと思います。
4. 【実践】「パッとジュッと」を使った調理工程
ここでは、私が実際にキッチンで試した際の工程をご紹介します。「パッとジュッと」のまずは「ねぎ塩麹チキン用」を使用しました。

調理方法は書かれている方法に従いました。


この商品1袋に対して、鶏むね肉1枚(300〜350g)を使用します。肉の厚みは約1cmの一口サイズにカットします。これがこのあとの凍ったまま調理において重要で、カットサイズが大きくならないように注意が必要です。商品の袋にすでに混合された調味料が入っているので、そこに鶏肉を入れます。


鶏肉を入れたら全体をもみ込みます。袋のサイズが小さいので、揉みづらいとは感じました。家庭で下味冷凍をするときによく使われる食品用保存袋に比べるとサイズが小さく、厚みもあるので、ここでは混ぜにくいとは感じました。


平たく伸ばして横に寝かせて冷凍します。凍ったまま加熱するには「平ら」であることが重要なので、これも注意点ですね。このまま冷凍ストックします。


凍らせたあとは凍ったままフライパンに取り出します。鶏肉の出口部分の角を押さえて潰してあげると、ひっかかりがなくなるので出しやすくなります(ただちょっとコツがいります)。
水を大さじ1加えてフタをします。この水を加えることがポイントです。水を加えてフタをすることで、フライパンの中に蒸気がたまり、冷凍された肉に熱を伝えやすくなり、全体を解凍しやすくなります。


フタをして弱火で約8分加熱します。半解凍のままで良いので、ひっくり返して中火にして、ほぐしながらしっかり火を通します。途中パッケージに書いているおすすめ追加食材のしめじを加えました。



できあがり!
パッケージ記載の調理方法は、私が自分の下味冷凍のレシピを作るときのポイントと同じ点が多いので、とても理にかなっていると感じました。少し違う点はありますが、下味冷凍し、解凍せずに凍ったまま加熱する方法としては良いと思います。凍ったまま加熱調理する最大の問題は「中まで火が通らず、生になってしまい、食中毒が起こること」です。これをいかに防ぐことが大切ですが、私は慣れているので良いですが、調理手順の注意点が守られないと、そのリスクが発生する恐れがあるので注意喚起は必要だとは思います。
5. 【感想】冷凍レシピの専門家・西川剛史のレビュー

味の感想は、まず鶏むね肉はしっとりと仕上がっていると思います。肉ピタソースのおかげで鶏むね肉の水分が逃げず、鶏むね肉本来の食感と旨みが保たれていると思います。その分、鶏むね肉の存在感がかなりあるので、鶏むね肉がそんなに好きじゃない方には、逆に調味料が中までしみてて、しっかり調味料の味付けが入る方が好きかもしれません。それだけ元の鶏むね肉のおいしさは残っています。
ネギ塩麹の味付けに関しては、食欲わく味わいで良いですが、ちょっと塩味は強いので追加食材(きのこやキャベツなど)があると良いと思います。


「炭火焼き風照り焼きチキン用」はおすすめ食材の長ネギのぶつ切りも一緒に加熱し、調理しました。こちらは万人受けする、大人も子供も満足する味わいだと思います。甘めの味付けで、焼いた時の醤油の香ばしさもあり、食欲わく味わいです。しっかり焦げ目をつければ大人向けの焼き鳥風にもなります。シンプルな味わいなので、手作りで醤油とみりんで、または市販のてりやきソースで下味冷凍する方もいますが、それより何が良いのかを訴えることが商品としての重要だと思います。
ちなみにこの商品に似た下味冷凍レシピは私が以前に作っていますので、参考にご覧ください。


「甘旨ヤンニョムチキン用」は玉ねぎを追加して調理しました。コチュジャン風味と言いつつも、トマトケチャップの味わいが強いです。甘めのトマトケチャップで、ほどよく辛味があるという感じですね。思ったより味は濃いわけではないので、食べやすいかと思います。
3品とも気になるのは鶏むね肉をアピールしすぎず、「鶏もも肉と鶏むね肉 両方OK」を打ち出した方が良いようには感じます。鶏むね肉とこの調味料の味わいの組み合わせが、少しモヤっとしますね。
でもお肉のおいしさをキープし、手軽に下味冷凍を楽しめるこの商品は、冷凍業界でもさらに注目されると思います。期待したいですね。
6. まとめ:下味冷凍は「仕込む」から「ストックする」時代へ
家庭での冷凍テクニックとして注目され続けた下味冷凍が、市販用の調味料としてさらなる手軽さ、おいしさを実現でき、今後の可能性も注目ですね。個人的には袋なしのボトル入りの「下味冷凍調味料」があるといいと思っています。今も私は「焼肉のたれ」を下味冷凍に活用していますが、下味冷凍にも使え、冷凍じゃない普通の料理にも使える、そういう調味料が増えるといいですね。
商品情報・販売価格
最後に、購入の際の参考に商品情報をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | 下味冷凍用おかずの素 パッとジュッと®(各種) |
| メーカー | 理研ビタミン株式会社 |
| 種類 | ねぎ塩麹チキン用 / 甘旨ヤンニョムチキン用 / 炭火焼き風照り焼きチキン用 |
| 内容量 | 1袋(2〜3人前) |
| 希望小売価格 | オープン価格 |
| 市場想定価格 | 238円(税込)前後 |





