冷凍食品専門家、冷凍生活アドバイザーの西川剛史です。
2026年10月14日(水)放送の日本テレビ系列『DayDay.(デイデイ)』に出演いたしました。

今回のテーマは、飲食料品の消費税率(1%)引き下げに関する議論のなかで、ますます需要が高まる「最新冷凍食品トレンド」です。
番組内では、手軽さだけでなく「おいしさ」や「品質」が劇的に進化している最新の冷凍食品や、外食チェーン・スーパーが手掛ける注目商品について詳しく解説いたしました。
今回は、番組でお伝えした冷凍食品の最新動向と、注目の進化系商品を詳しくご紹介します。
1. なぜいま「冷凍食品」が注目されているのか?

共働き世帯の増加やタイパ(タイムパフォーマンス)志向の高まりを背景に、冷凍食品の市場は拡大を続けています。
さらに最近では、消費税減税(飲食料品の税率1%)に伴う家計の節約志向や、外食(税率10%)と中食・テイクアウト(税率1%)の税率差への関心から、「家庭で本格的な味を手軽に楽しめる冷凍食品」への期待が一段と高まっています。
現在の冷凍食品は、単に「日持ちがする」「調理が簡単」というだけではありません。各メーカーの技術革新や容器の工夫、外食ブランドの参入により、「手軽さ(タイパ)」「価格の納得感(コスパ)」「お店クオリティの味」の3拍子が揃った時代へと突入しています。
2. 注目トレンド①:加熱ムラも克服!進化する「ワンプレート冷凍食品」

いま冷凍食品市場で最も伸びているジャンルのひとつが、主食とおかずが1つの容器にまとまった「ワンプレート(トレイ入り)冷凍食品」です。
レンジ加熱1回でバランスの良い1食が完成し、食べた後はトレイを捨てるだけなので洗い物の手間もかかりません。さらに最近では、「電子レンジ特有の加熱ムラ」を解消するための容器開発・技術改良が飛躍的に進んでいます。
ニチレイ「本格炒め炒飯&特から(トレイ入り)」

冷凍炒飯カテゴリ売上1位の「本格炒め炒飯」と、冷凍唐揚げカテゴリ売上1位の「特から」が1つのトレイで楽しめるボリューム満点の一品です。人気の2大メニューを同時に味わえる贅沢感と手軽さが魅力です。
日本ハム「ピザプレート ナゲット&フライドポテト」


ふんわり食感のピザにナゲットとフライドポテトがセットになったワンプレートです。この商品の特徴は、トレイの底面に配置された「くぼみ」構造。マイクロ波が全体に行き渡りやすくなり、サイドメニューまで均一に温まるよう工夫されています。
ニップン「彩りごはん。 鶏と野菜の黒酢あんと五目ご飯」

まろやかな酸味の鶏の黒酢あんと、具材豊かな五目ご飯がセットになったヘルシー志向のワンプレートです。ニップンでは加熱ムラを抑える専用トレイの開発に約2年を費やし、15回以上の試作を重ねて製品化。さらには具材や料理の配置場所も繰り返し検証し、均一に熱が通る設計になっています。
3. 注目トレンド②:自宅で名店の味を再現「本格麺&シビ辛スープ」

冷凍食品専門ショップ(「@FROZEN」など)の拡大に伴い、全国の有名ラーメン店や専門店の味がそのまま家庭で味わえる商品も人気を集めています。
日清食品冷凍「日清 魁力屋監修 京都背脂醤油ラーメン」

京都の人気ラーメン店「魁力屋」が監修した本格冷凍麺です。こだわりの醤油スープに背脂のコクがしっかり効いており、お店さながらの旨味とコクをレンジ調理で手軽に再現できます。
横濱一品香「本格麻辣湯【Standard】」


神奈川を中心に展開する老舗中華店「横濱一品香」の本格麻辣湯です。牛骨と鶏の白湯スープをベースに、13種類の香辛料を使用した本格的なシビ辛スープが特徴。野菜や魚団子など8種類の具材がたっぷり入っており、満足度の高い一杯に仕上がっています。
4. 注目トレンド③:スーパーのPB強化と外食チェーンの本格参入
メーカー品にとどまらず、大手スーパーのプライベートブランド(PB)や、大手外食チェーンの冷凍事業参入も相次いでいます。
スーパー「ライフ」の冷凍食品(ライフフローズン)
大手スーパーのライフでは、店舗や製造拠点へ「急速凍結機」を導入し、オリジナル冷凍食品(約60種類)の開発を強化しています。
- 自社製濃厚えびグラタン ミニ(4個入り):ミルクパウダーとチーズを贅沢に使った濃厚なホワイトソースが特徴です。
- ミニクロワッサン(8個入り):電子レンジで約10秒温めるだけで、焼きたての香ばしさとふんわり感が楽しめます。近畿圏から展開を開始し、関東エリアでも順次販売が広がっています。
モスバーガー「モスデリ 焼きおにバーガー(ライスバーガー)」


モスバーガーが手掛ける冷凍ブランド「モスデリ」のライスバーガー(牛カルビ/鶏きんぴら)です。お米には3種の国産玄米を使用し、高温圧力で炊き上げることでモチッ&プチッとした独自の食感を実現。特製醤油だれで香ばしく焼き上げられており、開発に2年をかけたこだわりが詰まっています。
ロイヤルホールディングス(ロイヤルホスト デリ)

ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」などを展開するロイヤルホールディングスでは、オムライスをはじめとする21種類の本格洋食メニューを冷凍食品として販売。外食のクオリティを自宅やテイクアウト感覚で楽しめる提案として注目されています。
5.外食チェーンの冷凍食品参入——期待と直面する課題

番組では時間の関係でカットされましたが、以下のような内容もコメントしました。
今回の背景にある「消費税減税(飲食料品税率の引き下げ)」議論によって、家庭で楽しめる冷凍食品やテイクアウトへの注目度が一層高まっています。しかし、外食産業が冷凍食品分野へ進出している動きは、決して消費減税だけがきっかけではありません。
もともと外食チェーンは、店舗で長年培ってきたメニュー開発のノウハウや調理技術を活かし、冷凍食品事業への参入を推進してきました。外食ならではの認知度やブランド力は、消費者に「お店の本格的な味を自宅で楽しめる」という強い魅力を与え、冷凍食品全体のグルメ的価値を高める大きな要素となっています。
一方で、外食産業が冷凍食品事業を成功させるには、製造や流通における独自の課題も存在します。自社で冷凍加工工場を持たない企業が多いため、製造を外部の食品メーカーに委託する「OEM」などを活用するケースが一般的です。そのため中間マージンが発生し、自社生産に比べて十分な利益率を確保しにくいという収益上の弱点があります。
さらに、外食店舗の運営とスーパーなどの小売店に向けた営業活動では、ビジネスモデルが大きく異なります。スーパーの棚を獲得するための商談や、冷凍流通網の確保といったノウハウが不慣れな場合、想定以上の営業コストや物流コストがかさみ、圧迫要因となるリスクを抱えています。
また、今回の消費減税措置は「2年間」という限られた期間での実施が想定されています。単なる一時的な税制変更や話題性に飛びついて安易に参入・拡大を進めることは、将来的な採算性を損なうなど経営上の大きな問題となりかねません。外食企業が冷凍食品事業を持続的な成長軌道に乗せるためには、一時のトレンドに過度に依存せず、しっかりとしたコスト管理と確実な販路開拓を推し進める姿勢が求められます。
6. まとめ

今回の『DayDay.』放送でもお伝えした通り、冷凍食品は単なる「時短ツール」から、「日常の食卓を豊かにする本格的な食事」へと確実に進化を遂げています。
特に近年は、容器構造の改良による加熱品質の向上や、外食店・スーパーによる本格的な味づくりの追求が進み、選ぶ楽しさも大きく広がりました。
仕事や家事で忙しい日々の食事作りに、最新の冷凍食品を上手に取り入れて、手軽でおいしい食生活にぜひ役立ててみてください。





