こんにちは。冷凍生活アドバイザーの西川剛史です。
いつも「てまぬきごはん」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、2026年9月7日に開催された味の素冷凍食品の新商品発表イベントに参加してきましたので、その詳細をレポートします。

味の素冷凍⾷品<⻩⾦炒飯>試⾷・説明会の開催

新商品 『黄金炒飯』(発売日2026年8月9日)
今回発表されたのは、行列の絶えない東京・本駒込の玉子炒飯の名店「兆徳」が監修した新商品「黄金炒飯」です。2026年8月9日に販売開始された話題の商品ですが、この日はその発売を記念した特別なイベントでした。大手冷凍食品メーカーは9月1日以降に秋冬新商品を発売することが基本ですが、それより1ヶ月早く新商品を発売し、冷凍食品売り場への導入を推進しました。今回は発売後、約1ヶ月後に発表会にてメディア向けにしっかりとアピールし、その報道を見た一般生活者がすぐに売り場で購入できることを狙ったと思われます。
冷凍炒飯の進化が止まらない昨今、この新商品がどのような背景で生まれ、実際のところ味はどうなのか。冷凍食品の専門家として解説していきます。
冷凍炒飯市場のギャップと「引き算の発想」

発表会は、味の素冷凍食品の開発担当者(リテール製品戦略グループ 森 氏)による市場背景の説明からスタートしました。昨今は米価高騰などの影響もあり、家庭における冷凍米飯の利便性が再認識され、需要が大きく拡大しています。しかし、これまでの冷凍炒飯の主流は「食べ応え」を重視した、ガッツリ濃い味付けの商品が大半でした(同社のザ★チャーハンはその代表的な商品)。
同社のWEB調査によると、「もっとあっさり上品な炒飯を食べたい」と感じている生活者が約35%も存在していたそうです。しかし実際の売り場を見渡すと、あっさり系の商品が占める割合は約10%にとどまっており、ここに大きなギャップがありました。

そこで白羽の矢が立ったのが、グルメサイト「SARAH」の炒飯ランキング(2023年6月版)で1位を獲得したこともある玉子炒飯の名店「兆徳」です。
再現ではなく「翻訳」を目指した開発秘話



(オフィシャル画像 兆徳店主 朱 徳平(しゅ とくへい)氏)
ここで監修された兆徳店主 朱さんが登場されました。開発担当の森氏と「兆徳」店主の朱氏によるトークセッションが行われました。
味の素冷凍食品の社員さんが何度も店舗に訪れて「兆徳の玉子炒飯を冷凍食品でやりたい!」という熱烈なオファーがあったそうです。朱さんは「兆徳には全国からお客さんが来てくれる。ただお店も小さく、食べてもらえる人も限られるので、冷凍食品で多くの人に食べてもらえる、それも良いと思った」と話されていました。

開発担当者の森氏は「私たちが目指したのはお店の味の再現ではなく、冷凍食品への“翻訳”です」と話しました。お店のように少量を強い火力と鉄鍋で炒める方法は、工場の生産ラインで再現するのは非常に難しいです。だからこそ、「兆徳」の美味しさの考え方を取り入れることに注力したと言います。

兆徳の炒飯の真髄は「引き算の発想」です。しかし試作段階では「引き算しすぎて物足りない」状態から、逆に「引き算をし切れない」状態へとブレてしまい、絶妙なバランスを見つけるのに苦労したそうです。最終的に、ふっくらパラっとした食感やたまごのコクに加え、中華料理店の高温の鍋であおったような香りをまとわせる「特製香味油」を開発することで、あっさりしつつも満足感のある味わいを実現しました。
朱さんも完成品について、「何回も試食品を食べたが、最後にはすごく美味しくなった」とおっしゃってました。
専門家による実食レビュー


この新商品はすでに発売されていたので、事前に購入して食べていましたので、ここではその試食の感想を伝えたいと思います。
最初に食べた率直な感想としては「さすがに兆徳のお店の炒飯とは全然違うよね」でした。


(以前に訪問した際に撮影した兆徳店舗の「玉子チャーハン(塩味)」)
兆徳の炒飯の材料は「ごはん、卵、ねぎ、塩、うま味調味料」とびっくりするほどシンプルな材料。これを丁寧に中華鍋で炒めることで、シンプルでありながら、素材と調味料のしっかりとした味わい、炒めたての香ばしい香りが口の中に広がり、とても美味しい究極の炒飯と感じさせる味わいです。
そのため、兆徳に行ったことがある方は、あまり兆徳の味を期待して食べない方が良いです。ただ、冷凍炒飯の中では兆徳らしさを十分に堪能できますし、兆徳に行ったことがない方にとっては「あっさりと上品な」新しい冷凍炒飯として満足できる商品だと思います。

この冷凍の黄金炒飯は
・工場で釜で“ふっくらご飯”を炊いたうえで“パラっと”炒めることで、中華料理店のようなお米のふっくらパラっと食感を実現しています。食べるとごはんのふっくら感を堪能できます。お店のような炒め感はないですが、それでもパラっとは仕上がっています。
・お店のような高温の鍋であおった本格的な卵や油の香り・風味を実現すべく、特製「香味油」を独自開発して配合しています。
・こだわりの独自調味料として味の素社の特許原料等を活用することで、余計な味に頼らず、卵などのコクや風味を際立たせ、あっさりシンプルながらレンゲが止まらない、満足感のある味わいを実現。

既存の冷凍炒飯は醤油やオイスターソース、チャーシューのタレ、さらには各種エキスをふんだんに使い、多種多様な調味料を多く使い、濃い味付けのものが多いですが、この黄金炒飯は非常にシンプルな原材料にはなっています。
開発担当者は「引き算の発想」という言葉を兆徳のこだわりの再現と話していましたが、どちらかというとここまで引き算する商品が少なく、メーカーとしてのこだわり、大変さを感じさせる言葉だと思いました。
食べてみると、確かにコンセプト通りの「あっさり上品」な味わいです。たまごの優しい風味があり、特製香味油の香ばしさも感じられます。味が濃すぎないため、レンゲが自然と進む仕上がりになっていました。1食分200g(1/2袋)を食べた後も胃にもたれる感じや舌に残るしつこい味もなく、また食べたくなる安心した味わいだと感じました。
ちょっと気になったのは「引き算」をアピールしていたわりには、具に「蒸し鶏」が足されていたこと。兆徳の炒飯にはもちろん入っていません。ただ味としてはこのあっさり炒飯を邪魔せず、具材としても美味しく楽しむことができました。食べた時の満足感のために追加したとは思いますが、もしかしたら「具なし炒飯」と見なされて、非常に安い価格を求められることを避ける意味もあるかもしれません。オープン価格で店舗により販売価格は異なりますが、この商品は税込約400円前後で販売されている店舗が多いようです。

ちなみにフライパンで炒めたらお店のような炒め感、香ばしさが出るかなと思い試しましたが、電子レンジ調理の方が美味しかったです。フライパン調理だとご飯の水分が飛んでしまい、ふっくら感がなくなり固くなります。さらに味や香りも炒め調理で飛んでしまい、風味が落ちる印象です。この商品は電子レンジ調理で食べるのがおすすめです。
24時間限定の特別企画「裏兆徳」へ


実は発表会が行われたこの日、9月7日(月)17:30から翌8日(火)17:30までの24時間限定で、実店舗が特別仕様の「裏兆徳」として営業を開始しました。


期間中は兆徳の通常メニューの提供は一切なく、提供されるのはなんと冷凍食品の「黄金炒飯」のみ。電子レンジで解凍された約200g(半袋分)がお皿に盛られ食べることができます。さらにお土産として冷凍状態の「黄金炒飯」1袋(400g)がついて、価格は400円(税込)でした。この商品1袋の販売価格がおよそこれくらいなので、その場で食べられる分が無料のようなイメージですね。
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お店に到着すると、「裏兆徳」と書かれた限定の暖簾がかかっていました。店内に入ると、スタッフの方々はオリジナルの前掛けを着用し、黄金のレンゲが用意されるなど、本企画ならではの特別な世界観が演出されていました。
お店も行列ができていて、みなさん美味しそうに食べていました。
普段は行列のできる名店の空間で、あえて監修の冷凍炒飯を食べるという不思議な体験でしたが、メーカーの自信と遊び心が伝わってくるユニークな仕掛けでした。
今後の展開もさらに楽しみですね。
味の素冷凍食品 新商品・リニューアル品のリリースは以下をご覧ください。
【リリース】味の素冷凍食品(株)2026年秋季 家庭用 新製品・リニューアル品のご案内
【リリース】行列の絶えない玉子炒飯の名店「兆徳」が監修した味の素冷凍食品<黄金炒飯>新発売を記念し、「裏兆徳」を24時間限定オープン!
発表会の様子はこちらでYoutubeにアップされていました。ぜひご覧ください。





