冷凍生活アドバイザー・冷凍専門家の西川です! 株式会社カインズは2026年8月5日(水)に、新商品「解凍も冷食あたためもムラになりにくいフラットレンジ」の新商品発表会を開催しました。今回はこの新商品発表会にご招待いただきました。カインズでは昨年から家電用品のPB(プライベートブランド)商品に力を入れており、今回は電子レンジを発売しました。冷凍専門家の立場からレビューしたいと思います。


冷凍されたお肉やお魚の解凍や、市販の冷凍食品の加熱ムラ防止に対応した電子レンジになります。商品の詳細と発表会の様子を交えながらご紹介します。
カインズ「解凍も冷食あたためもムラになりにくいフラットレンジ」とは?


製品の基本情報は以下のとおりです。
- 商品名:カインズ 解凍も冷食あたためもムラになりにくい フラットレンジ
- 発売日:2026年8月1日
- 価格:19,800円(税込)
- 庫内寸法:幅28.5×奥行き31.6×高さ20.7cm(庫内容量 20L)
- 本体サイズ(cm):幅47.2×奥行き34.5(ドアハンドルを含む:38.5)×高さ29.5cm
- 出力:900W(短時間高出力機能:3分間)、600W、500W、200W相当、100W相当
近年、冷凍食品の需要の高まりやまとめ買いの定着、さらには家庭での冷凍「ホームフリージング」の機会が増えています。一方、「レンジ加熱のムラ」への不満が多く寄せられていました。
本製品はオーブン機能をあえて省いた「単機能電子レンジ」です。多機能化による高価格化を避け、日常で最も使う「解凍」と「冷食あたため」の性能を徹底的に磨き上げながら、2万円を切るお手頃価格を実現しています。
大手家電メーカーの電子レンジでも解凍に力を入れている商品はありますが、どうしてもオーブン機能のついたハイスペック商品が多く、高単価な商品が多いのです。その点、この商品は2万円を切るのは嬉しいですね。一人暮らしを始めた方や、トースターやグリルを活用している方は電子レンジは単機能タイプでも良いと思います。
【ポイント①】肉も刺身も絶妙な仕上がり!「解凍上手」機能

この電子レンジ最大の目玉が、ワンボタンで実行できる「解凍上手」機能です。
通常のレンジ解凍では、高い出力で加熱しすぎるために水分や旨味がドリップとして流れ出たり、肉の表面に熱が通りすぎて変色してしまうことがよくあります。


しかし本機では、食材の表面温度を正確に測る「赤外線センサー」と独自の加熱プログラムを搭載。300Wという低出力を細かくON/OFF切り替えしながら、食材にダメージを与えないようじっくり優しく解凍します。
ちなみに生の肉や魚など調味料に浸けていない食材は、水分(自由水)が多く純粋な「氷」の状態で凍っています。実は氷は電子レンジのマイクロ波をほとんど吸収しません。しかし、わずかにとけて「水」になると一気にマイクロ波を集中的に吸収し、その部分だけが急激に加熱されてしまいます(熱暴走現象)。この結果、中心はまだ凍ったままなのに、端だけ過加熱で煮えて硬くなったり、旨味(ドリップ)が流れ出たりしてしまいます。そのため、電子レンジでの解凍は本来は向いていないと言われています。レンジ解凍するには、高出力で加熱するのではなく、低出力でON/OFFを細かく切り替えつつ、食材の温度変化を見極めながら熱をじっくり均一に伝える制御が不可欠になります。

※上記内容をもとにAI(Gemini)にて生成した画像
発表会では冷凍マグロのサクを解凍実演


冷凍されたマグロのサクを発表会中に実際に電子レンジの「解凍上手」で解凍しました。手順は「解凍上手」ボタンを押すだけで簡単でした。
説明では「あえて少し芯を残した状態(半解凍)」に仕上げているそうです。刺身やお肉も、包丁でサクッと切りやすい絶妙な硬さで解凍されます。包丁で切り分けて盛り付けたり、調理を開始したりしている間に自然解凍が進み、食卓に並ぶ頃にはちょうど食べごろのベストな状態になります。逆に電子レンジだけでしっかり解凍してしまうと、加熱ムラの発生確率、特に局所的に火が入ってしまう可能性があるので、このような仕様にしていると思います。


発表会で解凍されたお刺身も、温まりすぎてだれることが一切なく、鮮度と食感がしっかり保たれていました。
説明では他の肉などでもうまく解凍できると説明されていました。個人的には食材の種類や形(薄さや細かさ、体積など)によって、ポイントはあるので、電子レンジに入れる前に食材をこういう状態にした方がよい良い、この状態はNGなど、説明があると安心感はあると思いました。マグロのサクも、例えば今回の2倍の厚み、体積があると話は変わってくると思います(記事の一番下に補足情報を追記しました)。
【ポイント②】冷凍食品のオート加熱「冷食あたため上手」


本機に搭載されている「冷食あたため上手」ボタンを使えば、パッケージの指定ワット数や時間を気にする必要がなく、ボタンを押すだけで解凍および加熱が完了します。赤外線センサーが庫内の食品温度を検知し、高出力と独自プログラムを組み合わせて自動で最適に加熱します。ムラなくアツアツの状態に仕上がるそうです。


冷凍食品の専門家としては口酸っぱく「冷凍食品はレンジのオート機能は使わず、必ずパッケージのW数と時間に従って!」と啓蒙活動をしてきました。ただ従ったとしても、家庭で使われている電子レンジの経年劣化や、庫内の汚れ具合、お皿への盛り方、そもそものその商品の解凍性質などによって、うまく冷凍食品を解凍できないという消費者の声も多く聞きますし、ストレスを感じている方も多いと思います。電子レンジのオート機能も技術の進化で、よりうまくオートで解凍できるようにはなってきたと思いますので、上手に活用できると良いと思います。
【ポイント③】忙しい日の強い味方!「時短」モード

冷凍食品ではないですが、例えばお弁当やお惣菜などを「今すぐ温めて食べたい!」という急いでいる時に便利なのが「時短」モードです。
使い方は簡単で、最初にパッケージ等に記載された既定の温め時間を設定し、「時短ボタン」を押すだけ。最初の3分間は最大900Wの高出力で素早く一気に加熱し、3分経過後は自動的に600Wへ切り替わります。
動作中も残り時間がディスプレイに表示されるため、仕上がりまでの目安が分かりやすく安心です。
カインズでは冷凍専用庫、セカンド冷凍庫も発売中

冷凍庫のスペースが足りないため、セカンド冷凍庫を購入される方が増えていますが、カインズでもPB商品を今年2026年1月から発売しています。


家庭での設置を考えて、細めで省スペースになっているのはありがたいですね。

冷凍餃子もちょうどピッタリ入ります。
今後のカインズの家電戦略にも注目ですね!
(2026年8月6日 情報追記)
カインズ店頭では本機の製品説明書が展示されていたので、そちらを確認しました。


「解凍上手(解凍モード)」では注意点として以下の記載がありました。
厚さの目安
・ひき肉/薄切り肉:約2cm
・肉/魚:2~3cm
・刺身:ブロック(さく)のもの、2.5~4.5cm
ご注意
次のような食品は、マニュアルモードで様子を見ながら加熱してください。
・分量が100g未満の食品
・冷凍庫から出してしばらく時間のたった食品
・溶けかけている食品
解凍は表面から熱が内側に伝わっていくので、中心部分の解凍がなかなか進まないですが、凍った食品が分厚い、堆積が大きくなると、中心部分への熱の伝わりが遅くなり、その間に表面の方が解凍しすぎ、火が通ってしまう可能性もあります。そのため、上記のように厚さの目安を指定しています。あと量が少なすぎたり、部分的に溶けてしまっている食品は、加熱ムラが増大してしまうので、注意点にはなりますね。

さらにQ&Aでは以下のように書かれていました。
【解凍】
Q1 解凍不足でかたい
・食品の厚みが不均一だと厚い部分が溶けにくくなります。冷凍するときは、食品の厚みを揃えてください。
・食品を庫内中央に置いていますか。中央から外れた位置に置くと解凍不足になることがあります。
・200Wまたは100Wで様子を見ながら再加熱してください。
Q2 食品に熱が入りすぎる
●食品の厚みが不均一だと細い部分や薄い部分に熱が入りすぎることがあります。冷凍するときは、食品の厚みを揃えてください。
●解凍するときはラップなどの包装は外してください。
・同時に複数個解凍する場合は、同じ種類で同じ大きさのものにしてください。
厚さが不均一、形がぐにゃっと曲がっていたりすると、解凍がうまくいかないので、冷凍するときに均一に薄く平らにした方が良いということですね。この辺りの注意点はこの電子レンジに限らず、冷凍テクニックの基本でもあるので、ぜひ参考にして欲しいです。





