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物価高で注目「冷凍食品のトレンド」年末年始に使える冷凍術 (日本テレビ2025年12月18日放送「news every.」より)

2025年12月23日

 物価高が続く中、毎日の食事づくりに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんな中、改めて注目を集めているのが冷凍食品です。

 日本テレビ「news every.」のコーナー「なるほどッ!」では、今年の冷凍食品トレンドと、年末年始に役立つ冷凍保存のコツが紹介されました。私、冷凍食品専門家 西川剛史が取材を受け、情報提供をさせていただきました。当日の放送内容は日本テレビ公式Youtubeでも紹介されているの、そちらもご覧ください。今回は放送された内容に加えて、補足情報も交えて解説いたします。

プロが選んだ2025年冷凍食品トレンド

 今年は、最大9連休になる可能性もある年末年始。お休みの店舗もあるので、冷凍食品を買いだめしておいて、ゆっくり家で過ごそうかと考えている方もいらっしゃるかもしれません。こうした背景を受け、番組で紹介されたのが冷凍食品PR連盟が主催する「冷凍食品トレンド大賞2025」です。

 これは、インターネットで話題となっている冷凍食品関連のワードの中から、冷凍食品の業界関係者のアンケートをもにランキングにしたもの。いわば、冷凍のプロが選んだトレンドランキングです。

冷凍食品PR連盟 冷凍食品トレンド大賞トップ10

手軽さや日常使いが進化

※放送で使用されたモニター画面をAI(Gemini)にて再現した画像

 10位は「冷凍ラーメン新商品続々」。

 冷凍ラーメンといってもさまざまなタイプが販売されていますが、利便性の高い新商品に注目が集まっています。例えば麺とスープ、具材が一体型になっていて、水を加えなくてもお鍋で温めれば作れるもの、トレー付きでレンジで温めればそのまま食べられるものなどです。

 直川貴博フリーアナウンサーは、「冷凍ラーメン大好きです。ちょっと夜遅くなってお店が閉まってしまったときとかに、お店クオリティのラーメンが食べられちゃうので。手軽で簡単で、調理しやすいっていうのも嬉しいです」と、冷凍ラーメン愛用者として声を届けられました。

※放送で使用されたモニター画面をAI(Gemini)にて再現した画像

 7位は「ローソン冷凍おにぎり本格展開」。

 冷凍することで賞味期限が長くなることに加え、食品ロスの削減にもつながることが注目を集めました。また、「製造コストを抑えられるため、通常のおにぎりよりも安く販売できる」という点もポイントだと森圭介アナウンサーは解説。

※上段がローソンで販売された冷凍おにぎり、下段が通常販売されているローソン常温おにぎり

 ローソンでは今年、冷凍おにぎりの販売店舗を着々と増やしており、2025年11月4日からは冷凍おにぎりの販売店舗数は全店の約85%にあたる約12,000店舗になるそうです(ローソン リリースより)。コンビニ店舗でのおにぎりを含めた食品の消費期限切れによる廃棄(食品ロス)が社会的な課題となっていますので、食品ロスを減らしていくきっかけとして、この冷凍おにぎりの取り組みは注目されています。

トップ3に見る、冷凍食品の今

※放送で使用されたモニター画面をAI(Gemini)にて再現した画像

 3位は「大阪・関西万博(冷凍関連パビリオン)」

 大阪・関西万博では、冷凍食品の進化や調理ロボットとの組み合わせなどの新しい技術が「未来の食」として紹介されています。こうした取り組みへの関心が高まりが、トレンドにも表れました。

 
 2位は「ワンプレート冷凍食品」。

ワンプレート冷凍食品

 1品だけではなくて、主食とおかずがワンプレートのトレーに入っており、トレーごと温めるだけで簡単に食べられるという手軽さが話題になりました。

 山﨑誠アナウンサーは、「しょうが焼きの商品とか、お世話になったことがあります」と、ワンプレート冷凍食品を利用したことがあるとコメント。電子レンジで温めるだけで食事が完成するため、忙しい人たちの強い味方として今後ますます注目が高まりそうです。


 そして、「1位は何だと思うか?」と問われた鈴江奈々アナウンサーは、「冷凍パスタじゃないでしょうか? お昼でも夜でも1人でパッて食べるのも楽ですし、私はお弁当を作る時間がないときには、(冷凍パスタを使って)パスタのお弁当にしちゃうこともあります」と予想します。

 しかし、今年のトレンドランキング1位は「冷凍野菜」

 このランキング自体は2021年から行っていますが、冷凍野菜が1位になったのは初めてのこと。なぜ今年注目されたかといえば、猛暑のあとで生鮮野菜の価格が高騰して高止まりしたこと。そして、冷凍野菜は年間を通して価格が安定しており、家計にやさしい点が改めて評価されました。

スーパーでも売上増

※放送で使用されたモニター画面をAI(Gemini)にて再現した画像


 番組では、ベイシアひだかモール店(埼玉県)の冷凍食品売り場を紹介。およそ800アイテムの冷凍食品が並んでいるとのことです。冷凍野菜の種類はとても充実しており、単体の野菜はもちろんですが、「豚汁の具」「野菜ミックス」など、いろいろな野菜がセットになっているミックス商品も。売上も好調で、冷凍食品売り場自体も拡大しているそうです。


 買い物客からは、こんな声が聞かれました。

「ブロッコリーとかは結構冷凍のもの買っています。高い時も多いので」(パート/40代)

「オクラとか生は下処理がめんどくさい。洗って、水切って、ってやるより1個手間が省けるから」(親子/母60代・娘30代)

「インゲンとか、そのまま使えるから。アク抜きもいらないし、とても便利ですね」(主婦/60代)

冷凍野菜レシピの検索が増えてます!

冷凍ブロッコリー

 スタジオでは忽滑谷こころアナウンサーが、「お弁当とか、ちょこちょこ少量ずつ使いたいときに(冷凍野菜は)本当に便利で。冷凍アボカドっていうのをこの間見つけて、何でも冷凍できるんだなってびっくりしたのを覚えてます」とコメント。
 このように冷凍野菜の商品数が増えていることを背景に、実際、レシピの検索数も増えているのだそう。大手レシピサイト(クックパッド)では、「冷凍ブロッコリー」「冷凍ほうれん草」など、冷凍というキーワードを野菜の前につけたレシピの検索数が前年比で28.1%増加。そのまま使える冷凍野菜だからこそ、簡単な副菜からメイン料理まで、幅広く活用したいというニーズが高まっているようです。

お正月・クリスマス食材の冷凍方法

 番組では、冷凍食品メーカー(ニチレイフーズ)への取材をもとに、お正月食材の冷凍保存方法も紹介されました。

※放送で使用されたモニター画面をAI(Gemini)にて再現した画像

数の子の冷凍

 味付け数の子は、つけ汁ごと冷凍するのがポイント。つけ汁ごと冷凍することで乾燥を防ぎ、プチプチとした食感を保てます。解凍は、食べる約15時間前に冷蔵庫へ移し解凍するのがおすすめです。冷凍保存期間は大体2週間から3週間ほど(ニチレイフーズほほえみごはんより)。

伊達巻の冷凍

 伊達巻は切り分けてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて保存します。解凍は冷蔵庫で行い、1切れあたり約20分が目安です。冷凍保存期間は、だいたい2週間ほど(ニチレイフーズほほえみごはんより)。
 また、伊達巻が余った場合のアレンジメニューとして「伊達巻サンドイッチ」も紹介されました。スタジオでは「これは絶対おいししい!」「わざわざこのために残しておきたい」との声も!

クリスマスケーキの冷凍

 クリスマスケーキが余ってしまった場合も、冷凍保存ができます。

 冷凍方法は、ラップで包んで冷凍用保存袋に入れて、乾燥を防いで冷凍することがポイントと紹介。型崩れが心配な場合は、深さのある容器を使い、フタ側にケーキを乗せて本体をかぶせる方法がおすすめ。解凍は冷蔵庫で約2時間が目安です(ニチレイフーズほほえみごはんより)。

 ただし、生のフルーツが使われているケーキは冷凍には向かない。解凍の際にフルーツからどうしても水分、ドリップが出てしまうためです。

冷凍を使って、年末年始をかしこく楽しく過ごそう!

 年末年始は食材の価格が上がりやすく、準備も何かと大変な時期。早めに食材を購入して冷凍しておくことや、冷凍庫を整理しておくことが、心にも時間にも余裕を生みます。

 冷凍食品や冷凍保存を味方にして、無理をしすぎない「手間抜き」の年末年始を過ごしてみてはいかがでしょうか?

今回取材をしていただき、番組を制作していただいたスタッフの皆様、ありがとうございました。

記事の監修者

西川 剛史
西川 剛史冷凍王子/冷凍生活アドバイザー
高校生のころから冷凍食品に興味を持ち、冷凍食品会社に就職。冷凍食品の商品開発などの経験を生かし、現在は冷凍専門家として活動中。 冷凍王子としてテレビ番組「マツコの知らない世界」「ヒルナンデス!」「王様のブランチ」「NHKごごナマ」など、その他テレビ、雑誌などに多数出演。
2016年8月には家庭での冷凍テクニックを理論的に体系的に学べる資格講座として「冷凍生活アドバイザー養成講座」を開講(運営 日本野菜ソムリエ協会)。冷凍テクニックをまとめた冷凍本のシリーズ累計発行部数は30万部を突破。
年間約1,000品の冷凍食品を試食し、累計1万品以上の冷凍食品を実食している。さらには全国の冷凍食品工場を累計80ヶ所以上を回る、冷凍食品工場マニアでもある。その経験を活かし、冷凍食品コンサルタントとして活動。
常に冷凍を切り口に新しい活動や事業を積極的に行っている。
プロフィール詳細はこちら(https://vefroty.co.jp/profile/)