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濃厚の頂点へ――「お水がいらないプレミアム 中華蕎麦とみ田濃厚豚骨魚介らぁめん」を実食レビュー

2026年4月17日

全国のラーメンを食べ歩くラーメンライター、井手隊長です。

冷凍ラーメンのクオリティが年々進化する中で、キンレイの「お水がいらない」シリーズはその手軽さと完成度の高さで確固たる地位を築いてきた。その中でも“こだわり尽くした至極の逸品”をコンセプトに掲げるプレミアムラインは、まさに同シリーズの集大成とも言える存在だ。本商品「お水がいらないプレミアム 中華蕎麦とみ田濃厚豚骨魚介らぁめん」は、その第2弾として登場した注目作である。

今回の特徴は、つけ麺の王様「とみ田」監修でありながら、つけ麺ではなく「らぁめん」として商品化されている点だ。本店の看板である濃厚豚骨魚介の魅力を、敢えてラーメンで表現する挑戦的な一杯となっている。

調理方法はシリーズおなじみの簡便さで、冷凍のままフィルムを外して鍋に入れ、弱火で30秒ほど温める。その後、スープが溶け出したら強火にして約6分、仕上げに魚粉ペーストが溶けたら完成だ。この手軽さでここまでのクオリティに到達している点は、やはり特筆に値する。

スープは本商品の最大の魅力と言える部分である。本店同様、煮干しやソウダガツオ、鯖節といった魚介の旨味に、超濃厚な豚骨スープを合わせた構成。これを再現するために、豚骨や肉ミンチを自社で丁寧に炊き出すだけでなく、ミンチペーストまで自社製造するという徹底ぶりだ。さらに、煮干しと鯖をオイルやペーストとして個別に仕込み、絶妙なバランスで融合させている。その結果、濃厚な旨味の中に独特な苦味が重なり、奥行きのある味わいを実現している。ざらっとした舌触りもまた、濃厚魚介系らしいリアリティを演出している。柚子の爽やかなアクセントも効いており、濃厚でありながらも上品で、最後まで飲み進められるバランスに仕上がっている。

麺は富田店主が開発したつけ麺専用粉を使用し、さらに全粒粉を加えることで、香り高く力強い風味を実現。極太麺ならではの食べごたえがあり、濃厚スープに対して全く引けを取らない存在感を放っている。スープと麺が高次元で拮抗し、全体として見事な一体感を生み出している印象だ。

具材ではチャーシューの完成度が高い。厚みがありながらもしっとりとした食感を保っており、冷凍とは思えないクオリティに仕上がっている。九条ねぎと国産ゆずが彩りと香りを添え、最後まで飽きさせない構成だ。さらに、途中で別添の柚子七味を加えることで味が引き締まり、異なる表情を楽しめる点も嬉しい。

実際に食べてみると、かなりの高濃度であることがまず印象に残る。動物系のどっしりとしたボディに、魚介の強烈な旨味がしっかりと主張し、どちらも埋もれることなく共存している。その上で、パワフルな麺が全体を支え、非常に高いレベルでバランスが取れていると感じた。

一点だけ注意点を挙げるとすれば、その濃度ゆえに煮詰まりやすいことだ。調理中に火加減を誤るとスープが過度に濃縮されてしまうため、指示通りの時間と火力を守ることが重要である。

総じて、本商品は“プレミアム”の名にふさわしい完成度を誇る一杯だ。名店のエッセンスをしっかりと再現しつつ、家庭で手軽に楽しめる形へと昇華させている点は見事と言うほかない。濃厚豚骨魚介ラーメンが好きな人であれば、一度は試してみる価値のある逸品だろう。

記事の監修者

井手隊長
井手隊長ラーメンライター
全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。
「東洋経済オンライン」「Yahoo!ニュース」「AERAdot.」等でラーメンの連載を年間100本ほど執筆。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。
その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。
著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。