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国産冷凍野菜が対象「第1回全国冷凍野菜アワード」受賞商品を紹介!

2025年1月6日

 先日、「第1回全国冷凍野菜アワード」が開催されました。これは、野菜のプロである野菜ソムリエが、日本の国産冷凍野菜を評価・認証し、受賞商品を選出するというものです。本アワードは冷凍食品PR連盟および一般社団法人日本野菜ソムリエ協会が、価値ある「国産冷凍野菜」を評価・認証し、広く世の中に発信することにより、農業生産者を応援し、日本の農業の活性化に寄与することを目的としています。

【リリース】野菜ソムリエが選ぶ「第1回全国冷凍野菜アワード」受賞商品決定!

 第1回では、最高金賞3品、金賞3品、特別賞1品、入賞5品を選出。本稿では、最高金賞、金賞、特別賞の受賞商品をご紹介します! 

▼▼ YouTubeの動画もぜひご覧ください!▼▼


最高金賞① 十勝めむろ えだまめ(芽室町農業協同組合)



 最高金賞1つ目は、北海道・芽室町の枝豆を冷凍した「十勝めむろ えだまめ」です。

 この商品の最大の特徴は、収穫から加工までのスピード。枝豆のおいしさは時間の経過とともに減り続けるため、いかに早く収穫〜加工をするかが勝負です。こちらの商品は、ハーベスターという大型の機械で、一気に、スピーディに枝豆を収穫し、鮮度を保ったまま工場へ運んでいます。そして、収穫から加工・冷凍の完了まで4時間以内という、ごく短時間で行える体制を整えたことで、まるで収穫したてのようなおいしさを実現!


 解凍方法のおすすめは、耐熱皿に盛った冷凍枝豆に少し水をかけ、ラップをして電子レンジで解凍。このように解凍すると、枝豆のうまみを閉じ込めたまま解凍できます。

 香りが豊かで、口に含んだ瞬間にうまみが広がります。冷凍枝豆はおつまみ需要が多いので塩を効かせた商品が多いですが、「十勝めむろ えだまめ」は塩味が控えめで、枝豆本来の旨み・甘みが楽しめるのもいいところ。食感も程よく柔らかく、枝豆そのもののおいしさを堪能できます。

 パッケージは白をベースにしており、シンプルで、枝豆がよく映えるデザインになっています。

最高金賞② オーガニックほうれん草(イシハラフーズ株式会社)

 最高金賞2つ目は、宮崎県のイシハラフーズが手がける「オーガニックほうれん草」です。

 イシハラフーズは、野菜の栽培から冷凍加工までを自社で行っています。自社農場で有機栽培した野菜を、オーガニック認証を受けた自社工場ですぐに急速凍結することで、鮮度と品質を実現。農業と製造が一体化した組織体制になっていることが、おいしい冷凍野菜を作ることにつながっています。

 畑で収穫してから最短2時間で冷凍されているため、採れたてのようなフレッシュさがぎゅっと閉じ込められています。食べてみると、葉が肉厚で食感もしっかりしていますが、程よい柔らかさがあります。ほうれん草の甘みやうまみも存分に味わえます。


 おすすめは、オリーブオイルで凍ったまま炒める解凍方法。ほうれん草そのものの味が濃いので、シンプルな調理でもおいしさが十分に引き立ち、味わい深い一品に。もちろん、バター炒めや味噌汁に入れるなど、さまざまな料理に活用できます。

 パッケージもイラストを使用し、かわいい雰囲気で商品のイメージにもぴったりです。

最高金賞③ 北海道十勝産ピュアホワイト(マルハニチロ株式会社)


 最高金賞3つ目は、白いとうもろこしを冷凍した「北海道十勝産ピュアホワイト」です。
 冷凍コーンは冷凍野菜の中でも人気ですが、ほとんどがいわゆる黄色いとうもろこし。ピュアホワイトは、通常のとうもろこしとは一線を画す白い色が特徴で、数量も限られているのでプレミアム感があります。それを冷凍食品にすることで、1年中楽しめるのが嬉しいですね。


 解凍方法は、耐熱皿に盛って水を少し加え、ラップをかけて電子レンジでチンして食べるのがおすすめ! 食べてみると、しっかりとした甘みがあり、身の部分がとても柔らかいです。甘い香りが食欲をそそり、生鮮のゆでたてのとうもろこしをかじったときの、果汁があふれ出る感じが冷凍で再現できているのが素晴らしいです。

 パッケージも審査員から高評価! お菓子などのパッケージをデザインしている会社に依頼し、今までの冷凍野菜のパッケージとは一味違った、スイーツのような上品な雰囲気に仕上がっています。

金賞①  CO・OP国産野菜のみじん切りミックス(日本生活協同組合連合会)


 金賞1つ目は「国産野菜のみじん切りミックス」です。
 玉ねぎ、にんじん、ピーマンをみじん切りにして冷凍した商品で、野菜の配分は、玉ねぎ7割、にんじん2割、ピーマン1割。生協の組合員さんの意見を聞いて、「野菜を食べている気にはなるけど、野菜くささが出すぎない」という、うまく考えられた配合バランスになっています。


 この商品は、みじん切りの細かさと均一さが高評価でした。自分でサイズ感の揃ったみじん切りにするのはとても大変ですし、チョッパーを使っても器具を洗うのが面倒ですね。そんな手間を省いてくれるこの商品は、実際に使ってみると、とても使い勝手がいいことがわかります。

金賞② 九州産汁物ミックス(株式会社イシハラフーズ)


 金賞2つ目は「九州産汁物ミックス」です。
 大根、ごぼう、里芋、にんじんがカットされてミックスされ、味噌汁や豚汁にぴったり。炊き込みご飯の具材としても活用できます。九州産の野菜を使い、素材の配分は大根40%、その他は20%ずつです。
 ポイントはごぼうの風味がしっかりあるところ。冷凍ごぼうは、風味がなく食感だけ残ったものが多いのですが、この商品はごぼうの風味がよく保たれています。里芋はスライスカットされているためすぐに火が通りますし、絶妙な厚みを残しているので、里芋のホクホク&ねっとりとした味わいも楽しめます。冷凍庫に常備しておきたい、便利な商品です。

金賞③ mikata 国産彩り野菜ミックス(株式会社ニチノウ)


 金賞3つ目は、「mikata 国産彩り野菜ミックス」です。
 玉ねぎ、にんじん、ピーマンのみじん切りがミックスされ、にんじんが少し多めに入っています。野菜を食べたい方に向けて、栄養豊富なにんじんが多いことは魅力的です。


 パッケージは、実際の商品の写真がそのままデザインに生かされていて、審査員から高評価。調理例として、チャーハンやお肉のソースの写真もあり、「こういうものに使うといい」ということが視覚的にわかって素晴らしいと感じます。デザインの力でも、消費者に商品のよさやコンセプトが伝わりやすくなっていると思います。

特別賞 imonouta だしトロロ(株式会社中里青果)


 特別賞は、パウチ入りというアイデアある形状に注目の「imonouta だしトロロ」です。
 長芋は洗ったり皮をむいたり、すりおろしたりするのは面倒に感じる方が多いもの。この商品は解凍するだけで、パッケージから使いたい分量だけ絞り出して使えます。
 また、すでに和風出汁で味付けされているので、調味料をプラスすることなく、そのまま料理にかけるだけ! ごはんとマグロの上にかけてとろろ丼にしたり、この商品に卵1個を混ぜて焼くだけで、絶品の山芋焼きができます。

冷凍野菜で日本の農業を応援

 面倒な下処理なしに、簡単に使える冷凍野菜。忙しい現代人にぴったりで、今後ますます盛り上がりそうな市場です。しかし現在、日本の冷凍野菜市場は95%が輸入品で、国産冷凍野菜は約5%ほどしかありません(農林水産省2024年8月「冷凍野菜をめぐる情勢」より)。

(出典:農林水産省2024年8月「冷凍野菜をめぐる情勢」より。赤字%は追記した。)

さらに日本の基幹的農業従事者数は年々減少が続いています。そして、全体の70%が65歳以上を占めており、高齢化によるさらなる日本の農業の危機が迫っています。

(出典:「令和3年度 食料・農業・農村白書(令和4年5月27日公表)_(1)基幹的農業従事者」(農林水産省)。赤字部分は追記した。)

 日本で流通する冷凍野菜の国産比率を上げることは、日本の農家さんの支援にもつながると考えられます。冷凍野菜は長期間保存できるので、農業や工場での大規模生産の実現、農家さんの安定的な収益・経済発展の可能性があります。さらには食品ロスを減らし、物流問題などの社会問題の解決にも役立つはずです。そういった観点からも、国産の冷凍野菜市場を、もっと盛り上げていきたいと思っています。

 今回紹介した商品は、どれも味や使い勝手のクオリティが高く、家庭で手軽に楽しめるものばかり。皆さんも冷凍食品売り場で国産の冷凍野菜を見つけたときは、ぜひ手に取ってみてください!

記事の監修者

西川 剛史
西川 剛史冷凍王子/冷凍生活アドバイザー
高校生のころから冷凍食品に興味を持ち、冷凍食品会社に就職。冷凍食品の商品開発などの経験を生かし、現在は冷凍専門家として活動中。テレビ番組「マツコの知らない世界」「ヒルナンデス!」「王様のブランチ」「NHKごごナマ」など、その他テレビ、雑誌などに多数出演。
プロフィール詳細はこちら(https://vefroty.co.jp/profile/)