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冷凍食品トレンド大賞2025、大賞は『冷凍野菜』。冷食トレンドランキング10を解説

2026年1月3日

冷凍食品PR連盟は冷凍食品のトレンドに関したアンケート調査を実施し、2025年12月18日に発表しました。今回はその冷凍食品トレンド大賞2025のトレンドランキング10位から1位までを解説いたします。

2025年特有の単年のトレンドもあれば、ここ数年のミドルトレンド、さらには長期的なロングトレンドが入り混じった構成になっており、今後の冷凍食品市場を知る上で重要な内容となっておりますので、ぜひご覧ください。

冷凍食品トレンド アンケート調査概要

冷凍食品PR連盟のランケート調査概要は以下のとおりです。

調査目的:2025年の冷凍食品分野における注目トレンドを把握し、業界内の動向を可視化することを目的として実施。

調査方法:

① トレンドワード抽出

「冷凍食品」「冷凍」をキーワードに、2025年(1月1日〜11月23日)に公開されたインターネット上のニュース記事を調査。記事内で注目を集めたワードを抽出し、アンケート項目として設定。

② アンケート調査

上記で抽出したトレンドワードを選択肢とし、Googleフォームにてアンケートを実施(複数回答可)。

調査対象者:冷凍食品業界関係者(冷凍食品メーカー、食品卸、小売事業者、業界紙記者、冷凍関連機械メーカー、原料メーカー、包材メーカー、その他冷凍関連事業者)

調査期間:2025年11月24日(月)〜12月8日(月)23:00まで

調査機関:自社調査

回答者数:217名

運営:冷凍食品PR連盟

冷凍食品トレンド大賞2025リリースより)

 

トレンド発表および解説については Youtubeにてアーカイブ動画を公開しております。詳細についてはこちらをご視聴ください。

 

本記事では概要を解説いたします。それではまずは第10位から解説いたします!

10位:冷凍ラーメン新商品続々

ラーメン専門店の味を家で手軽に楽しめることから、冷凍ラーメン市場が伸びています。

日本冷凍食品協会の統計資料の国内生産量では「ラーメン類」は2018年8位から2024年5位に上昇しています(一般社団法人日本冷凍食品協会「統計資料データグラフ 国内生産量上位20品目」より)。

2020年のコロナ禍によって業務用冷凍中華めんの生産食数は落ちましたが、コロナが収束し飲食店の営業が戻るにつれ、生産食数は戻りました。家庭用は拡大傾向で、トータルでは大きく生産食数を伸ばしています(一般社団法人日本冷凍めん協会「冷凍めん年間生産食数調査」より

さらに2025年は大手冷凍食品メーカーから冷凍ラーメンの新商品が続々と発表されました。

「わが家の麺自慢 春雨麻辣湯/ニッスイ(2025年9月1日発売)」

麻辣湯(マーラータン)は2025年、専門店が急増し、ブームとなりました。さらに専門店ブームから「商品化の波」へつながり、この冷凍麻辣湯商品も話題となりました。もちもちの太めの春雨麺とスパイシーなスープが特徴です。

冷凍食品トレンド18位には「ガチ中華冷食(麻辣湯など)」がランクインしており、今後もクセのあるニッチなディープ中華の冷食商品が発売されていく可能性あります。

「お水がいらないプレミアム 飯田商店醤油らぁ麵/キンレイ(2025年8月19日発売)」

「お水がいらないプレミアム カドヤ食堂ワンタンめん/キンレイ(2025年8月19日発売)」

量販店でも取り扱われる比較的安価な商品でありながら、お取り寄せラーメンのような本格的で高級感のある冷凍ラーメンです。プレミアム冷凍ラーメンとして、スーパーなどの冷食売場で多く採用されました。

「新中華街 横浜あんかけラーメン/マルハニチロ(2025年9月1日リニューアル)」

冷凍ラーメン市場でトップレベルの売上をほこるこの商品ですが、調理方法を大幅に変更しました。

【変更前】お湯を沸かす→冷凍具入りスープを電子レンジで加熱する→冷凍めんを電子レンジで加熱する→どんぶりに具入りスープと熱湯を入れよく混ぜる→麺を入れる

【リニューアル後】お湯を沸かす→冷凍具入りスープと冷凍めんをどんぶりに入れ、一緒に電子レンジで加熱する→どんぶりに具入りスープと熱湯を入れよく混ぜる→麺を入れる

【リニューアル後】では冷凍具入りスープと冷凍めんを同時に加熱しており、【変更前】よりも手間が1つ減っています。

単純に冷凍具入りスープと冷凍めんを同時に加熱すると、スープのほうが加熱に要する時間が長く、麺が過加熱になり水分が抜けて固くなったり変色したりと、品質が悪化してしまうという問題がありました。これに対して麺の配合から見直し、さらにスープの濃度を高めて加熱時間を短縮することにより同時加熱を可能としました。消費者からの要望で改良に着手しましたが、この改良に約3年を要したそうです。

「冷凍 今日はこってり 鶏白湯ラーメン/日清食品冷凍(2025年9月1日発売)」

「冷凍 今日は旨辛 宮崎辛麺/日清食品冷凍(2025年9月1日発売)」

日清食品冷凍はさらに簡便な冷凍ラーメンを発売しました。水をかけて電子レンジで加熱するだけ。お湯を沸かす手間も不要になります(特許出願中)。

具付き麺に濃縮スープが一体化した状態で冷凍されており、これをどんぶりに移して水をかけて、そのまま電子レンジで加熱します。

冷凍ラーメンは調理が面倒だと感じる消費者も多く、このような簡便な調理方法の冷凍ラーメンが今後も発売されると思われます。

その他、各メーカーが新たな冷凍ラーメンを発売・リニューアルし、注目が集まっています。

お取り寄せ冷凍ラーメンも盛り上がっています。都心から地方まで幅広く有名店のラーメンを自宅で楽しめる『宅麺.com』が人気です。スーパー(イオン等)でも取り扱いがあり、価格は1食1,000円を超え高級な価格帯になりますが、ラーメン有名店のブランド力と商品の品質の高さにより売上を伸ばしています。

ちなみに冷凍ラーメンには種類があり、①一体型、②具付き麺+濃縮スープ、③トレー入り、④生麺+具材+スープすべてバラバラ、などがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

また、ソフトバンクロボティクスが発表した蒸式調理ロボット『STEAMA(スチーマ)』はトレンド大賞12位「セブン冷凍ラーメン自動調理ロボ」にランクインしています。

セブンイレブンの店舗にて専用の冷凍ラーメンが販売されており、専用の調理ロボットに入れると、90秒でラーメンができあがります。蒸気を用いた素早い加熱方法です。ラーメンの中央には穴が開いていたり、蒸気の入り方など工夫があります。冷凍ラーメンをこの量を電子レンジで調理した場合、10分以上はかかってしまうため、店内調理には向かないため、この手法で短時間解凍を実現しています。

9位:ご当地冷凍食品(アワード開催など)

ご当地の食材や郷土料理などを商品化したご当地冷凍食品が注目を集めています。魅力的なご当地食を日本全国からお取り寄せできるのは冷凍の魅力です。

そのなかでも2025年は『日本全国ご当地冷凍食品大賞』が開催され、テレビ番組、新聞、ラジオ番組など多くのメディアで取り上げられました。

2024-2025の第1回では有限会社望仙「贅沢桜えびかき揚げ」がグランプリに輝きました。駿河湾産の桜えびを贅沢に使用し、職人の手作業により丁寧に揚げられた逸品。じっくりと加熱することで水分を飛ばし、桜えび本来の旨みを凝縮したかき揚げを楽しめます。

最高金賞には株式会社ユートピアアグリカルチャー「CHEESE WONDER」、株式会社山田家物流「讃岐すき焼うどん」、株式会社キノシタコーポレーション「凍天(シミテン)」が選ばれ、メディアでも取り上げられました(日本全国!ご当地冷凍食品大賞2024-2025発表より)。

その他、日本アクセス主催の『フローズンアワード』でもご当地の冷凍食品が登場するなど、当ジャンルは注目を集めています(フローズンアワード2025より)。

8位:冷凍スイーツ

IMARCによると、日本の冷凍デザート市場規模は2024年は66億4,888万ドル(約1兆356億円)でしたが、今後は年平均成長率7.75%で、2033年までに130億1,680万ドル(約2兆274億円)に達すると予測しました(IMARC日本の冷凍デザート市場レポートリリースより)。

「冷凍チョコバナナ/ファミリーマート」

2025年はファミリーマートから発売された冷凍チョコバナナが話題となりました。バナナ1本をまるごとチョコレートでコーティングし冷凍した商品です。見栄えのインパクトもあり、SNSで話題になりました。さらにDole(ドール)の規格外品「もったいないバナナ」を使用しており、フードロス削減や環境の観点からも評価されています。

シャトレーゼでは糖質カットの冷凍スイーツも人気になっており、健康配慮商品も今後注目です。

7位:ローソン冷凍おにぎり本格展開

ローソンの冷凍おにぎりに関する取り組みが話題となりランクインしました。ローソンは2023年より開始した冷凍おにぎりの販売を、2025年5月に約1,700店舗、7月には約9,800店舗、さらに10月には約12,000店舗に拡大すると発表しました(ローソン発表リリースより)。2025年に冷凍おにぎりの取り扱いを急拡大しました。

コンビニにおいて常温のおにぎりは売上が高いカテゴリーです。しかし、消費期限が短いため、店舗での食品ロスの発生が課題となっており、冷凍おにぎりはその解決に期待が集まっています。冷凍おにぎりによって、食品ロス削減および冷凍流通による物流効率化(配送回数削減)を目的とし、展開を拡大する予定です。

さらに冷凍おにぎりはできたての美味しさを冷凍によって保持し、解凍時に電子レンジによって加熱するため、よりふっくらとご飯のおいしさを楽しめるメリットがあります。

 

農林水産省によると日本で発生する食品ロス量は年間約464万トンで、その内訳は事業系と家庭系がおよそ半数ずつ。事業系231万トンの中では食品製造業からの排出が約108万トンと最大ですが、食品小売業においても不可食部分を含む食品廃棄物全体に対する「本来食べられているのに捨てられている食品の割合」は過半数であり、改善が求められています(農林水産省 食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢より)。

現在、業界全体として2000年度比(547万トン)で2030年度までに6割減(219万トン)を目指しています。ファミリーマートやセブンアンドアイでも食品ロスへの対策が講じられている中、ローソンでは冷凍を活用して対策を進めています。 

2023年冷凍食品トレンド大賞では16位に「グリーンローソン(冷凍弁当、冷凍おにぎりなど)」がランクインしていました。ローソンはこの時点で既に冷凍おにぎりや冷凍弁当などに取り組んでいました。

6位:冷凍アサイーボウル

昨年の2024年冷凍食品トレンド大賞では10位にランクインしたワードで、今年も数々のメディアで取り上げられました。ちなみに2024年のユーキャン新語・流行語大賞にもノミネートされており、人気が続いています。

近年のブームのきっかけは2024年にタリーズで販売された「ヨーグルト&アサイー」。「氷少なめ」「はちみつ追加」などといったカスタムをSNSでインフルエンサーが取り上げ、投稿が注目を集め、売上が急伸しました。

冷凍食品業界では株式会社フルッタフルッタが冷凍アサイーボウル人気を牽引。あまりの人気ぶりに供給が追い付かず、店舗での品切れが相次いだ時期もありました。現在もアサイーボウルの売り場面積を広く取っている店舗があり、まだまだ流行は続いている様子が窺えます。

スーパーフードとして評価されているアサイーはブラジルから輸入されています。アサイー自体に甘味や酸味、香りはあまりないため、バナナピューレやぶどう・いちご果汁などが足されたアサイーボウルとして楽しむことが多いです。しかし、プレーンの冷凍アサイー商品も販売されており、自分好みに果物を盛り合わせることができる点で人気です。

2025年夏にはフルッタフルッタが都内にアサイー商品の冷凍自動販売機を設置し、FC化も視野に入れていることが話題になりました(フルッタフルッタ冷凍アサイー自販機リリースより)。

さらにはセブンイレブンでも冷凍「Doleアサイーボウル」が大ヒットしました(セブン‐イレブン・ジャパン リリースより)。

5位:マルハニチロ社名変更(ウミオス)

冷凍食品トレンド大賞はアンケートの回答対象者が一般消費者ではなく冷凍食品業界関係者のため、このようなトレンドがランクインしました。冷凍食品業界にとっては衝撃的なニュースでした。

冷凍食品大手企業であるマルハニチロは2026年3月1日付で社名が『Umios株式会社』に変更することを2025年3月に発表しました(マルハニチロ リリースより)。マルハニチロは2007年にマルハ(1880年創業)およびニチロ(1907年創業)を経営統合した総合食品企業です。「この2社の統合会社を標榜しながら強みを生かすより、企業そのものを変革する必要性を感じた」とマルハニチロ池見社長は語りました。

「Umios」の「umi」は海を起点とした水産業をアピールし、「o」は「one」に由来して社内外のステークホルダーや社会・地球全体と一体となっていく意思を表し、「s」は地球規模の社会課題に挑戦していく姿勢から「solutions」の頭文字を採用しています。特に「one」は社内において元マルハや元ニチロ、元別会社という立場を関係なしに、1つのチーム「ワンチーム」として一体感をもって世界と戦うという思いが込められていると推察します。そこに今回の社名変更の大きな意義があると私は個人的には感じます。

現在の社名の「マルハ」も「ニチロ」を残さず、全く新しい社名となるため、今後は新社名の認知を拡げていくため、2026年は広報活動・ブランディングに予算を投入することが予測されます。

4位:コスパ・タイパ冷凍食品

冷凍食品に求められる価値を表す言葉として「コスパ・タイパ冷凍食品」がランクインしました。

コスパ(コストパフォーマンス)とは「費用対効果」を意味し、かけたお金(コスト)に対して得られた成果や満足度(パフォーマンス)の高さを示す言葉です。冷凍食品は「安い」「無駄が出ない」「外食より安い」という点で、コスパが良いと言われています。

タイパ(タイムパフォーマンス)とは「時間効率」を意味し、かけた時間に対する成果や満足度を指す言葉です。冷凍食品は手間や時間をかけずに「お腹が満たされる」「おいしい」「栄養が摂れる」という点で、タイパが良いと言われています。

ロシアのウクライナ侵攻による資源価格高騰、円安の急速な進行、輸入物価の上昇などにより、国内の生鮮食品の価格は急激な上昇傾向にあるため、市場全体としてコスパが重視されています。

「タイパ」は『三省堂 今年の新語2022』の大賞に選ばれ、さらに2024年冷凍食品トレンド大賞でも「冷凍食品タイパ(タイムパフォーマンス)」は4位にランクインしていました。

簡単便利でコスパも良いことに加え、タイパの概念の定着に伴って、調理に時間をかけずにおいしい食事を摂れるというタイパの良さが認識された冷凍食品。多くのメディアやメーカーがこれらコスパとタイパを組み合わせて冷凍食品をアピールしています。私も2022年ごろから「冷凍食品はコスパ・タイパ最強!」という説明をよくしていましたので、この概念に少し貢献したと自負しております。

コスパ・タイパに加えて「スペパ(スペースパフォーマンス)」という考えもあります。冷凍食品は家庭での「冷凍庫パンパン問題」を抱えており、冷凍庫のスペースをとる価値があるもの、省スペースでありながら美味しく、ボリュームがあり、価値があるものが今後は求められると思います。

3位:大阪・関西万博(冷凍関連パビリオン)

今年は55年ぶりに大阪にて万博が開催されました。冷凍に関したパビリオンが開催され、注目されたためランクインしました。

EXPO 2025 大阪・関西万博は

テーマ:「いのち輝く未来社会のデザイン Designing Future Society for Our Lives」

開催期間:2025年4月13日~10月13日(計184日間)

開催場所:大阪 夢洲

経済波及効果は3兆円を超えたと推計されおり、一般来場者は2,558万人でした。

1970年の大阪万博にて、ロイヤルがセントラルキッチン方式を用い、福岡で製造した料理を冷凍車で大阪に運搬しレストランで最終的な仕上げをするという方法で料理を提供していました。またニチレイは「テラス日冷」をオープンし、業務用冷凍食品のハンバーグやビーフシチューなどを提供していました。こうした冷凍食品の活用モデルは、その後の外食産業やレストラン運営の礎となっていきました。

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今回の2025年大阪・関西万博では「テラスニチレイ」が復活しました。ニチレイフーズは万博専用の冷凍炒飯を開発し、最新の炒め調理ロボットを活用した店舗を万博会場内にオープンしました。来店した消費者自身によるカスタマイズを楽しめるような提供形態でした。加えて猛暑対策も兼ねて「凍ったまま食べられる今川焼」が万博限定で販売されました。

さらに未来の食の提案がコンセプトのシグネチャーパビリオン「EARTH MART」にて、食材を凍結粉砕して粉末状にし3Dフードプリンターで食品を製造するという研究を行う山形大学の古川英光教授と、粉末たんぱくと米粉を合わせて米粒状に成形した「たんぱく米」の製造技術を有するニチレイフーズが技術協力し、展示を行いました。

また、他企業の展開も光りました。ケンミン食品はビーフン技術を応用した「グルテンフリーラーメン」を提供し、そのスープや具材に冷凍技術を活用しました。産業ガス大手のエア・ウォーターは独自の凍結技術で果実の鮮度と栄養を閉じ込めた高品質な「スムージー」を展開しました。

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かつて「効率化」の象徴として登場した冷凍食品は、半世紀を経て「サステナビリティ(持続可能性)」や「ウェルビーイング」を実現する最先端技術へと進化し、その可能性を改めて世界に証明する場となりました。

2位:ワンプレート冷凍食品

昨年の冷凍食品トレンド大賞(1位)である「ワンプレート冷凍食品」が、2025年も2位にランクインしました。

「皿いらず」で完結する(究極のタイパ)、一食完結型の食事(個食対応)、外食・中食より安い(圧倒的なコスパ)が人気の理由です。

2024年の市場規模は前年比約5割増、2019年比約7倍。コロナ禍で在宅ワークをする消費者を中心に注目を集めました(食品新聞ワンプレート市場記事より)。

トップメーカーのニップンは2015年から本格展開。豊富なバリエーションから消費者が献立を選択できることが商品価値をさらに高めています。なお米飯シリーズ(丼タイプのワンプレート)も人気で、ご飯の上におかずやソースがかけられ、一食として完結します。

ワンプレート商品は容器にも工夫がなされています。ニップンは2025年秋季新商品(スープカレーなど)ではパルプを使用することによりプラスチック量を削減した「パルプモウルドトレー」を採用しました。さらに加熱ムラを抑制するためにトレー底面に窪みが設けられていたり、マイクロ波の集中を防ぐために丸みを帯びた設計にしています。

2025年のワンプレート冷凍食品の特徴は、その「多様化」と「質の進化」です。従来の人気カテゴリーである和食や洋食に加え中華ワンプレートの登場、有名レストラン監修のプレミアムライン、管理栄養士が監修する「健康特化型」、さらにはコンビニ冷食のトレー化、定期配送(サブスクリプション)サービスの利用者が増加など、個人のライフスタイルや健康状態に合わせてメニューを選ぶ時代へと突入しました。 単身世帯の夕食だけではなく、共働き世帯のテレワークランチや、高齢者の栄養管理食としても活用シーンが広がっています。手間を省きながらも豊かな食体験を提供するワンプレート商品は、今後も市場を牽引するエンジンになると思われます。

定期購入型のワンプレート冷凍食品サブスクサービスも活況を呈しています。nosh、Muscle Deli、三ツ星ファーム、ワタミの宅食、ニチレイフーズダイレクト、味の素冷凍食品など。『宅食グルメ』という冷凍宅配弁当専門サイトが創設されるほどです。

ワンプレート冷凍食品は生活者ニーズが高く、市場の更なる拡大が想定されます。しかし、盛り付ける手間、トレーの材料費、トレーの形状ならではの物流上のデッドスペース発生による輸送費など、コスト増の影響を受けやすいカテゴリーです。そのため、今後のコスト増の影響をどのように対応していくか、大規模なコストダウン施策または売価アップを受け入れてもらえる価値向上が大きな課題となります。

ニップンではワンプレート冷凍食品等の生産強化のため、連結子会社の株式会社畑中食品での冷凍食品新工場建設を計画しており、2026年度末に竣工予定で、投資額は170億円です。新工場では自動化技術の導入による更なる省力化を推進する計画です(ニップン リリースより)。

1位:冷凍野菜(生鮮野菜高騰など注目)

2025年、冷凍食品業界で最も輝いた冷凍食品トレンドは「冷凍野菜」でした。猛暑や天候不順が常態化し、生鮮野菜の価格高騰と供給不安が年間を通して続いたことが最大の要因です。これにより、年間を通じて価格が安定している冷凍野菜が「家計の救世主」として再評価され、かつての「生鮮の代用品」という位置付けから「普段使いの主役」へと地位向上を果たしました。

 

クックパッドの調査では、冷凍野菜関連のレシピ検索数が10年間で最大約9.7倍に増加しました。主にほうれん草(+325%)、ブロッコリー(+842%)、オクラ(+873%)でした(クックパッド リリースより)。

また、日本冷凍食品協会のアンケート調査の結果によると、冷凍食品を利用する頻度が増えた理由として、1位「調理の簡便性」および2位「おいしさ」は男女共通であったが、女性の3位には「野菜など生鮮品の価格上昇」が入りました(日本冷凍食品協会 利用状況実態調査より)。

農畜産業振興機構によると、冷凍野菜の国内流通量は増加傾向にあり、2024年の輸入量1位は冷凍ポテト(フライドポテトなど)、2位は冷凍ブロッコリー、3位は冷凍えだまめであった(農畜産業振興機構 野菜情報より)。冷凍ブロッコリーは近年順位を伸ばしており、ニーズが高まっている。

冷凍野菜の魅力を解説すると

・下処理済みで調理が簡単→家庭での調理時間・手間の削減

・可食部のみであるため家庭でゴミが出ない→食品ロスの削減

・製造工場で出たゴミは堆肥などに利用される→環境循環への貢献

・旬の時期に鮮度の良い状態で収穫し、すぐに急速凍結しているため、おいしくて栄養価が高い→健康の維持増進への貢献

・農業の観点からも、長期保存が可能であるため1年を通した計画的な農業が可能→生産農家の安定収入、大規模農業への経済発展の可能性

・生鮮品が高値の際には冷凍品のほうが安い場合もある→節約効果があり家計へのメリット

・生鮮野菜のように毎日輸送する必要がない→物流問題の解決

などがあり、今後も冷凍野菜の消費者ニーズや社会ニーズが高まると考えられます。

2025年はメディアでも冷凍野菜が多く取り上げられた中、イオントップバリュの「冷凍きゅうり」はシャキシャキとした食感から多くの注目を集め、2025年冷凍食品トレンド大賞の第20位に単独でランクインしました。食感の良さには急速凍結や凍結前のブランチング方法のほか、きゅうりの品種も関わっていると考えられます。トップバリュでは他にも「冷凍刻みにんにく」「冷凍刻みしょうが」「冷凍きざみパクチー」「冷凍ゴーヤスライス」「冷凍オーガニックブロッコリー」「冷凍きざみ長ねぎ」などを展開しており、今後もPB冷凍野菜商品の強化が見込まれます(イオン冷凍野菜リリースより)。

また冷凍ブロッコリーは大容量タイプを中心にさらに人気を集めていて、既存の冷凍ブロッコリー市場はさらに拡大が見込まれています。さらには茎まで無駄なく使用した商品や冷凍ブロッコリーライスも登場しており、形態を変えた冷凍ブロッコリー商品のラインナップも増加する可能性があります。

また、日本の国産冷凍野菜も注目されています。

農林水産省によると、実は冷凍野菜のうち輸入品の割合は約95%と極めて高いです(農林水産省「加⼯・業務⽤野菜をめぐる情勢」より)。

日本の基幹的農業従事者数は年々減少し、2005~2020年の15年間で39%も減少しました。65歳以上の割合が全体の70%程度を占めており、高齢化による日本の農業の危機を感じます。

そうした状況の中で国産冷凍野菜を盛り上げていくことは非常に意義がありますが、日本野菜ソムリエ協会主催の『全国冷凍野菜アワード』が開催され、注目されました。第1回(2024年11月19日発表)では芽室町農業協同組合「十勝めむろ えだまめ」、イシハラフーズ「オーガニックほうれん草」、マルハニチロ「北海道十勝産 ピュアホワイト」(冷凍コーン)が最高金賞を受賞しました。第2回(2025年7月2日発表)ではカルビーポテト株式会社「熟成黄金ポテト インカのめざめ」、日本生活協同組合連合会「CO-OP 国産野菜の五目あんかけラーメン」、伊藤忠食品株式会社「凍眠市場 山形県産凍眠シャインマスカット」、ロック・フィールド「ドフィノワ じゃがいもグラタン」が最高金賞を受賞し、話題となりました。第3回は2026年4月よりエントリー開始予定。

詳細はこちらをご覧ください。

「安さ」だけではなく「味・品質・技術」で選ばれる時代へ突入した冷凍野菜は、2025年を象徴するカテゴリーとして、今後もさらなる市場拡大が確実視されています。

 

以上がトップ10の冷凍食品トレンドになります。

過去の冷凍食品トレンド大賞上位3位の変遷と今後の展望

〈2021年〉

1位:冷凍自販機

2位:オリンピック餃子

3位:無人冷凍餃子店(餃子の雪松など)

〈2022年〉

1位:冷凍自販機(冷凍自販機専門店も含む)

2位:冷凍冷やし中華(ニチレイフーズ)

3位:無人冷凍食品販売店

〈2023年〉

1位:冷凍食品値上げ

2位:物流2024年問題

3位:冷凍自販機ビジネス拡大

〈2024年〉

1位:ワンプレート冷凍食品

2位:物流2024年問題

3位:令和の米騒動(冷凍食品影響)

〈2025年〉

1位:冷凍野菜(生鮮野菜高騰など注目)

2位:ワンプレート冷凍食品

3位:大阪・関西万博(冷凍関連パビリオン)

今回の冷凍食品トレンド大賞では、2025年ならではの話だけではなく、ここ数年の長期的なトレンドも反映されていました。現在の冷凍食品業界の生産から消費までの流れが見え、また今後どのような商品が注目されていくのかという予測のベースにもなると考えられます。

冷凍食品は「人を助けられる商品」であるからこそ、その時代の課題が次の冷凍食品のヒントになるかもしれません。今後の冷凍食品の発展を感じさせるトレンドでした。

記事の監修者

西川 剛史
西川 剛史冷凍王子/冷凍生活アドバイザー
高校生のころから冷凍食品に興味を持ち、冷凍食品会社に就職。冷凍食品の商品開発などの経験を生かし、現在は冷凍専門家として活動中。 冷凍王子としてテレビ番組「マツコの知らない世界」「ヒルナンデス!」「王様のブランチ」「NHKごごナマ」など、その他テレビ、雑誌などに多数出演。
2016年8月には家庭での冷凍テクニックを理論的に体系的に学べる資格講座として「冷凍生活アドバイザー養成講座」を開講(運営 日本野菜ソムリエ協会)。冷凍テクニックをまとめた冷凍本のシリーズ累計発行部数は30万部を突破。
年間約1,000品の冷凍食品を試食し、累計1万品以上の冷凍食品を実食している。さらには全国の冷凍食品工場を累計80ヶ所以上を回る、冷凍食品工場マニアでもある。その経験を活かし、冷凍食品コンサルタントとして活動。
常に冷凍を切り口に新しい活動や事業を積極的に行っている。
プロフィール詳細はこちら(https://vefroty.co.jp/profile/)