今回は「冷凍の極意」と題し、失敗しない冷凍の4つのルールをご紹介します。
この基本ルールを守れば、食材をおいしく、鮮度のよい状態で保存することができます。冷凍に対する苦手意識が変わるかもしれませんよ!
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※動画で使用されている「解凍イメージグラフ図」や写真画像は「西川剛史のおいしすぎる冷凍レシピ(宝島社)」より引用しております。「写真協力:深澤慎平/宝島社」
冷凍の極意 4つの基本ルール
食材の冷凍保存は多くの方が行っていると思いますが、「なんとなくやっている」という方がとても多いです。「食材が傷むから冷凍する」「食べきれないから仕方なく冷凍する」という理由で冷凍していては、実は、あまりおいしい状態で冷凍することができないのです。
しかし、今回ご紹介する方法を実践すれば、食材の冷凍保存のクオリティが格段にアップします。これだけを守れば失敗しないという、冷凍の4つのルールをご紹介しましょう!
ルール① 新鮮&おいしい状態で冷凍する
冷凍とは食材の元の状態を「キープ」をする技術です。そのため、肉や魚、野菜などは、鮮度がよい状態で冷凍することが重要です。調理済みの惣菜も、おいしく作った料理を冷凍することが大切です。
特に、生鮮品の肉、魚、野菜は、時間が経つと鮮度がどんどん落ち、おいしさも失われてしまうので、できるだけ新鮮な状態、可能であれば購入したその日のうちに冷凍しましょう。そのため、冷凍することを前提にして食材を買ったり、料理をしたりすることが非常に大事になります。「余ったから冷凍する」は、実はNGなんです。
あと生鮮品ではない作った料理を冷凍する場合は、冷凍のテクニックより、料理をおいしくつくるレシピの方が重要です。
このルール①は、どの冷凍テクニックに関しても当てはまる基本。これを守るだけで、おいしさをキープした冷凍が実現できます。
ルール② できるだけ空気を遮断する
冷凍室の中はとても乾燥しているため、食材を冷凍室の中に入れると乾燥と酸化が起こりやすくなります。これを防ぐには、ラップや冷凍用保存袋を使って空気を遮断する工夫が必要です。
肉や魚、野菜はラップを密着させて包み、食材を空気から遮断します。そのほかの食材でも、カット断面があるような状態のものは、必ずラップを密着させて空気に触れないようにしましょう。
冷凍用保存袋に入れる際は、袋の中の空気をしっかり抜いて封を閉じることもポイント。空気が残っている状態で冷凍室に入れると、空気が原因で乾燥と酸化が起きてしまいます。
もう1つのやり方は、下味冷凍。食材と調味料を一緒に冷凍する方法です。調味料がラップの代わりになり、食材表面をコーティングすることで、乾燥と酸化から守ってくれます。下味冷凍は、調理時の手間を省くだけではなく、冷凍保管中の乾燥と酸化を防ぐこともできる冷凍方法なのです。
ルール③ 食材をなるべく薄く平らにする
食材を薄く平らに冷凍するのもポイントの1つです。そのメリットは下記の4つがあります。
① 早く冷凍できる
② 早く解凍できる
③ 冷凍庫に収納しやすくなる
④ 食材によっては、使いたい分だけ手で折って使える
特に①と②は重要です。凍らせるスピードが遅いと、食品中の氷の結晶が大きくなって細胞組織の破壊が起きてしまいます。解凍が遅いと、水分や栄養素が流出したり、さらには食感や風味が落ちてしまったりも。薄く平らにすることで、冷凍も解凍もスピーディーになるので、食材の品質が守られます。
冷凍用保存袋に入れると、自然と薄く平らにはなるのですが、その際にも注意点が。それは、袋の中に食品を多く入れすぎないということです。たくさん入れると分厚くなってしまうので、適度な薄さにしておくことが大事です。
ルール④ 同じカットサイズに揃える
冷凍時や解凍時にムラを防ぐには、同じ袋の中に入れる食品は、同じサイズに揃えてカットすることもポイントです。サイズがバラバラだと、凍るスピードやとけるスピードに差が出てしまい、冷凍・解凍ムラが起きてしまうのです。
例えば、パプリカとピーマンなど、複数の食材を1つの袋に入れるときも、同じサイズに揃えましょう。きのこ類をミックスして冷凍するのもおすすめですが、その際もカットサイズをできるだけ統一しておくといいですね。調理時の使いやすさも向上し、仕上がりのおいしさにもつながります。
冷凍の極意を実践しよう!
今回は冷凍の極意となる4つのルールをご紹介しました。
これらは冷凍の基本になる部分ですので、どんな冷凍レシピにも当てはまります。ぜひ、この4つのルールを参考にして、冷凍上手を目指してくださいね!