かつて、冷凍食品といえばスーパーの特売日に買いだめする「安さ」こそが代名詞のような存在でした。
もちろん、家計を預かる消費者にとって1円でも安く購入できることは喜ばしい限りです。
しかし、価格を抑えるための企業努力が行き過ぎれば、品質や美味しさの追求がおろそかになってしまうという側面も否定できません。
私のように日々あらゆる冷凍食品と向き合っていると、数百品に一つという低い確率ではあるものの、明らかにクオリティの低い商品に出会ってしまうことがあります。
もし、冷凍食品の本当の実力を知らない方が、そのような商品を最初に手に取ってしまったら、「冷凍食品とは所詮この程度のものか」と失望し、二度とその売り場に足を運ばなくなるかもしれません。
それは、進化を続ける冷凍食品業界にとって大きな損失です。
だからこそ私は、単に安いだけの商品ではなく、価格以上の価値を感じさせる「本物」を紹介したいと考えています。
食べればその価格設定ですら「むしろ安い」と感じ、冷凍食品のファンになってもらえるような逸品を。

今回ご紹介する「ふっくら煮穴子の押寿司」は、まさにそんな冷凍食品の新たな地平を感じさせる傑作です。
日本料理界の重鎮である大阪の老舗料亭「なだ万」と、食品流通の雄「伊藤忠食品」がタッグを組んで開発したこの商品は、ネット通販で手に入れることができます。

その味わいは、冷凍食品という枠組みを軽々と超えており、口に運べば、香ばしく甘辛に煮込まれた上質な穴子がほろほろと解けて、上品な脂の旨みが舌の上で静かに踊り出します。
職人の技を感じさせるのは、決して強く押しすぎない酢飯の加減です。
穴子の柔らかさに呼応するように、口の中で優しくほどけていくのです。
さらに特筆すべきは、酢飯の間から顔を覗かせる名脇役たちです。
煮付けた椎茸の深みのある旨みと、山くらげのコリコリとした小気味よい食感がアクセントとなり、噛むたびに新たな発見をもたらしてくれます。

最初から食べやすいよう8切れにカットされているこの棒寿司は、味の変化を楽しむ余白も残されています。
まずはそのまま2切れほど味わい、素材本来の完成度を確かめてみてください。
その後、別添えの山椒を振りかければ、世界が一変します。
重層的な旨みに爽やかな香りが加わることで、味、食感、風味が三位一体となり、一つの料理として完成された高みへと到達するのです。

確かに一般的な冷凍食品と比較すれば、値は張るかもしれません。
しかし、自宅にいながらにして老舗料亭の熟練の技を堪能できると考えれば、これほどコストパフォーマンスの高い贅沢はないでしょう。
最後に、少々罰当たりかもしれませんが、禁断のアレンジもお教えしておきましょう。
とろけるチーズを乗せてバーナーで軽く炙ってみてください。
チーズの塩気とコクが加わり、えも言われぬ背徳的な美味さが楽しめます。
ぜひ、ご自身の舌でこの「安すぎる贅沢」を体験してみてください。

【ふっくら煮穴子の押寿司】
1,490円(税込)※2025年12月時点
詳しくはコチラ↓

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