全国のラーメンを食べ歩くラーメンライター井手隊長です。
昨年12月、東京を代表する町中華の名店が58年の歴史に幕を下ろした。
板橋区大山にある「丸鶴」である。

1966年創業の老舗で、店主は岡山実さん。元カリスマホストで、タレントの城咲仁さんのご実家としても知られる。
都内でチャーハンの旨い店と言われたら間違いなく名前の挙がってくるお店で、営業中に行列が途切れることはない。ジューシーなチャーシューのゴロゴロ入ったチャーシュー炒飯や、とびっこがたっぷりのったとびっこ炒飯が人気で、一日200杯も出ていた。継ぎ足しで作る「丸鶴」の命の醤油ダレは、毎日チャーシュー用の肩ロースを24本も煮込んで作り続けて完成したもので、これが味の核になっている。
閉店が発表されてからさらに行列は伸びていき、昨年12月28日をもって惜しまれつつ閉店を迎えた。
お店であの味が食べられなくなった「丸鶴」ファンは、「丸鶴」ロスな新年を迎えている。

城咲さんは閉店前から父のもとで40日間チャーハンの修業を行い、冷凍チャーハンを開発していた。
父の作る魂のチャーシュー炒飯を全国に届けたいという想いで作られたものだが、結果、“冷凍チャーハン”という形で「丸鶴」の味が残されたのは大きい。

大きめの鍋で水を沸騰させ、そこに冷凍の袋のまま入れて湯煎をしたら出来上がり。

1人前400gとボリュームたっぷりで、大きめに切られたチャーシューがゴロゴロ入っている。
黒コショウがきいたパンチのある仕上がりで、米の柔らかさとともにジュワッとチャーシューの肉汁が広がり、とても美味しい。

閉店後、大反響で1~2ヶ月待ちとなっているが、ぜひゲットしてみてほしい。
老舗の味をぜひお家でご賞味あれ。