今回は、料理&餃子芸人のクック井上。さんをゲストにお呼びしました! 著書の『魔法の万能調味料 料理酒オイル』(ダイヤモンド社)でも大好評の魔法の調味料「料理酒オイル」の作り方&レシピ、そして「自家製冷凍餃子」の作り方と焼き方のコツなどについて教えていただきます。
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料理酒オイルって何? 作り方&ポイント
「料理酒オイル」とは、料理酒とサラダ油を混ぜて作る万能調味料。普段から料理の際に使っているこれらの調味料を別々に入れるのではなく、混ぜてから加えるだけで、まるでお店のような味に仕上がるのです。

作り方はとっても簡単。100均などで売っているドレッシングボトルに、料理酒:サラダ油を、4:1の割合で入れればできあがり。しかも、きっちり測らず目測でOK! もちろん測ってもOKです。
「油と水は仲が悪いですから、これを炒め物のフライパンに入れると一気にスチームが出ます。その高温の蒸気で料理することが炒め物のコツ! フライパンの温度を下げずに、家庭のコンロでも強い火力と熱で調理できるため、プロのような味に仕上がるんです。また、そのスチームに乗った油が具材に一気に行き届くので、炒飯ならパラパラ、野菜はシャキシャキに!」と、クック井上。さん。
入れたときは分離していますが、使う前にボトルを振って乳化させるのがポイントです。ではさっそく、料理酒オイルを使った絶品レシピを伝授していただきましょう。

レシピ① シャキシャキもやしだけ炒め

シャキシャキで、お肉や他の野菜がなくても大満足のもやし炒めです。数十円のもやしが、まるで中華屋さんのような味に変身します。クック井上。さんが、「無限もやし」と呼んでいらっしゃるのも頷けます!
【材料】2人分
もやし…1袋(200g)
料理酒オイル…大さじ1
ごま油…小さじ2
塩、こしょう、鶏がらスープのもと…各小さじ1/4程度
【作り方】
①フライパンにごま油を入れ、その後に火をつけて、薄く煙立つまで加熱。
②もやしを入れ、料理酒オイルを入れる。1分間いじらずにそのまま加熱する。


③トングで天地を返すイメージでひっくりかえし、30秒いじらずに加熱する。

④塩、こしょう、鶏ガラスープのもとを加えて味付けし、ひっくり返しながら混ぜればできあがり!

【ポイント】
料理酒オイルをかけて、そのスチームで火を通すこと。そして、フライパンを振らないで、じっと加熱することがポイント! つい菜箸で混ぜたりしがちですが、これもNGです。混ぜれば混ぜるほど、箸でもやしを傷つけ、傷つけることで水分が出てベチャッとしてしまいます。
レシピ② ゴロッと海老炒飯

冷凍シーフードミックスのエビを使った海老炒飯です。エビはプリプリ、ごはんもパラパラの仕上がり! 市販の冷凍炒飯もとてもクオリティの高いものが多いですが、家でもおいしい炒飯を作りたい方、ぜひ一度試してみてください。
【材料】2人分
冷凍エビ…適量
ねぎ、チャーシュー、ナルトなどお好みの具材…適量
料理酒オイル…適量
卵…2個
ごはん…2膳分
油…大さじ1
鶏ガラスープのもと…小さじ1
塩、こしょう…少々
しょうゆ、ごま油…各小さじ1
【作り方】
①凍ったままの冷凍エビを適量の料理酒オイルに漬け、10〜15分程度置いて解凍する。ねぎはみじん切りに、チャーシューは1cm角程度に、ナルトは食べやすい大きさに切る。

②①のエビをフライパンに入れ、さっと炒めて取り出し、お椀の底に入れておく。


③フライパンに油大さじ1を入れ、卵を入れる(卵は溶きすぎず、黄身に穴をあけて少し混ぜる程度に。黄身のコクと白身の甘さが際立つ)。すぐにごはんを入れて、卵が温まったのを確認したら天地を返すように混ぜてから料理酒オイル大さじ1を入れる。


④フライパンは振らず、焼き付けるように、天地をひっくり返しながら炒める。鶏がらスープのもと、塩、こしょうを入れて、さらに同様に炒める。
⑤チャーシュー、ねぎ、ナルトを入れてひっくり返しながら炒め、最後にしょうゆ、ごま油を入れて火を止めて軽く混ぜる。
⑥エビを入れたお椀に⑤を入れ、ひっくり返してお皿に盛ればできあがり!


【ポイント】
具材の解凍や下処理にも、料理酒オイルは大活躍! 料理酒には3%の塩分があり、油分と塩分がある料理酒オイルに漬けておくことで臭みを取る効果が得られ、また、エビのプリプリ感を保ったまま解凍が可能。ごはんを炒めるときにも、料理酒オイルをかけることでほぐれやすくなり、パラパラ&しっとりの炒飯が作りやすくなります。
「自家製冷凍餃子」のコツをご紹介
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クック井上。さんは、餃子を愛してやまない餃子芸人でもあります。そんなクック井上。さんに、自家製の冷凍餃子の作り方、冷凍の仕方、冷凍餃子の焼き方など、さまざまなポイントをお伺いしました。
ポイント① ひき肉は冷凍肉を使って自家製で作る!


クック井上。さんが餃子を作るときは、挽き肉を買ってくるのではなく、お肉を自分でひき肉にして使うそうです。豚のコマ切れや豚バラ肉スライスなどを買って冷凍、それを半解凍の状態にします。適当な大きさに切って、フードプロセッサーで10秒ほど回せば、新鮮なひき肉のできあがり。75gで、だいたい餃子30〜40個分くらいになります。
市販のひき肉は、お肉をぎゅっと押し出して潰して作るのですが、フードプロセッサーは切って細かくするので、お肉の繊維、組織が壊れないですし、細かさも好みで調整できます。
また、ひき肉は鮮度も落ちやすい食品。冷凍のお肉で自分で作ることで、わざわざ買いに行かなくても作れる利点もあります。フードプロセッサーをお持ちでない方は、冷凍肉なら切りやすいので、細かく包丁で切って作ることも可能です。
ポイント② お肉に下味をつける
餃子のレシピで、キャベツやニラなどの野菜と調味料、ひき肉を一つの袋に入れて揉んで混ぜるというレシピがありますね。クック井上。さん曰く、「あれは絶対やめてください!」。
具材と調味料を一緒に入れて揉むと、塩分で野菜から水分が出ます。するとこの野菜がおいしくなくなる。また、その水分をひき肉が吸って、お肉もおいしくなくなってしまうのです。

おすすめは、まずはひき肉をジューシーにするために、フードプロセッサーでひいたお肉に料理酒オイルを加え(75gのひき肉に対して大さじ1程度)、もう1度少し回して混ぜます。それから刻んだ野菜と合わせるという方法。
味付けや野菜の種類は各ご家庭のレシピでOKですので、ひき肉に料理酒オイル+下味を付け、ひき肉を調味料として使うイメージで野菜と混ぜて餡にすることで、野菜のシャキシャキ食感が抜群で、おいしい餃子に仕上がります。
ポイント③ 包み方はヒダを2個
お子さんでも簡単にできる、手軽な包み方を教えていただきました。たくさん作って冷凍しておけば、いつでも自家製餃子が食べられますよ!
【包み方】
①皮の真ん中に餡を置き、周囲が1.5cm〜2cmくらい空いている状態にする。

②水を周囲の空けた部分に塗ったら、パタっと半分に折ります。


③半分に折ったら、両端を外側から内側に折り曲げる。ぎゅっと口を閉めたら、ヒダ2個の餃子のできあがり!


ポイント④ 冷凍餃子の焼き方
失敗なしで焼ける、冷凍餃子の焼き方をご紹介。自家製の冷凍餃子はもちろん、市販の冷凍餃子にも応用できます。
【焼き方】
①火をつける前に、フライパンに大さじ1/2ほどの油を広げ、餃子を円状になるように置く。このとき、フライパンの端の曲線にかからないようにする。


②熱湯を餃子にかけるようにして入れる。水を入れると沸騰するまでに餃子の皮がふやけてしまうため、必ず熱湯を使う。湯量は、餃子のサイズが小さかったり薄皮の場合は餃子が1/3浸かるほど、大きかったり厚皮の場合は半分浸かるほどが目安。

③フタをして、ここで点火し強火にかける。途中でお湯がなくなりそうなら、足してもOK(フタをあけて確認し、皮の上の方が白い場合はまだ火が通り切っていない印なので、少しだけ湯を足すとよい)。

④水分が飛び、チリチリという音に変わったら中弱火にし、餃子の上から少量の追い油をかける。上から追い油をかけることで、焼けた後のくっつき防止になる。

⑤水分が飛ぶまで中弱火で焼いて焼き目を確認し、最後に強火で焼き色の調整を!

⑥フライパンよりひと回り小さいサイズの皿を餃子の上からかぶせ、フライパンを傾けて油をよく切る(火傷防止のため)。ひっくり返し皿に移したら完成!


クック井上。さんの餃子理論では、「焼き餃子はまずは焼かない」のがミソ。はじめから焼き色をつけようとしなくてOKで、フライパンで茹で→蒸すようにして火を通し、焦げ目は最後につけるのがポイントです。そして、餃子は綺麗に焼くのではなく、おいしそうに焼くことを心掛けてほしいとのことです!

ぜひ「料理酒オイル」と「自家製餃子」、お家で試してみてくださいね!