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【冷凍炒飯】失敗しない!おいしい解凍方法3選、電子レンジ調理のポイント解説

2024年11月26日

 冷凍食品の中でも、冷凍炒飯は非常に人気のカテゴリーです。炒飯の炒めたての味が、急速凍結技術など冷凍食品製造技術で再現されていて、お店のような炒飯が手軽に食べられることから、普段から愛用している人も多いのではないでしょうか?
 そんな人気の高い冷凍炒飯ですが、いざ電子レンジで解凍した際に「均等に温まらない」「固くなってしまう」など、うまく解凍できないという声も少なくありません。
 今回は、冷凍炒飯をさらにおいしく食べられるよう、失敗しない解凍方法とコツをご紹介します!

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冷凍炒飯の基本の解凍方法

 まず大前提として、冷凍炒飯の商品パッケージ裏に書かれている加熱時間や解凍方法に従うことが重要です。
 また、電子レンジにかけるときにラップをするのかしないのかという疑問もよく耳にします。多くの冷凍炒飯商品ではラップなしで加熱するように指定されていますが、商品によってはラップありを推奨しているものもあります。
 ラップなしでレンチンすると水分がある程度飛び、パラッとした炒飯らしい食感を保ちやすくなります。逆にラップありだと、水分が残ってしっとりした仕上がりに。そのため、ラップをするかしないかは、パッケージに書かれた解凍方法に従うという以外にも、お好みで使い分けるのもいいと思います。

冷凍炒飯 解凍のNG例

 おすすめの解凍方法の前に、まずはNG解凍例をご紹介します。

 1つ目のNG解凍方法は量が少なすぎること。そして、平べったく薄くしすぎることです。これで電子レンジでレンチンすると、体積が小さくなり、お米一粒一粒に熱が過剰にかかることで底のほうのお米が固くなってしまいます。

 もう1つのNG例は、盛りすぎてしまうこと、山型に盛ることです。高さがあると加熱ムラが起きやすく、端っこは加熱しすぎになのに、中はまだ凍っているということが起こってしまいます。

 それでは、冷凍炒飯の正しい解凍の具体的なポイントを解説していきましょう!

おすすめ方法①ドーナツ型×レンチンでパラっと仕上げる

 冷凍炒飯を電子レンジで解凍する際の基本は、適度に厚みを持たせて平らにお皿に盛ることです。平らにすることで電子レンジの加熱ムラは抑えつつも、ほどよい厚みがあることでお米への過剰な加熱を防ぎ、お米の水分を保ったまま解凍ができます。おすすめは冷凍炒飯200〜300gを1cm程度の厚みで平らにお皿に盛ることです。
 しかし、どうしても中心部分は火が通りづらいので、真ん中に少しくぼみを入れ「ドーナツ型」にすることが、おすすめの方法。ドーナツ型といっても、完全に輪っか状にする必要はなく、多少中心がくぼんでいればOKです。冷凍炒飯の適度な厚みが電子レンジ加熱時に蒸す環境を作り、お米に発生した熱がお米同士に伝わるため過剰な加熱を防げます。

手順:
①冷凍炒飯を耐熱皿の上に、平らに盛ります。

②中心部分を少しだけへこませ、ドーナツ状にします。大きな穴は不要で、少しくぼみをつける程度で十分です。

③パッケージに記載された時間に従って、電子レンジで加熱しましょう。

ポイント:

 しっかり凍った状態で電子レンジにかけることも重要なので、お皿に盛ったらすぐに電子レンジで加熱しましょう。半解凍状態で電子レンジにかけると、よりいっそう加熱ムラが起きてしまいます。

 加熱後はすぐに全体をしっかり混ぜます。特に、ラップをせずにレンチンした場合、加熱直後は加熱ムラが大きくなっているため、かき混ぜることで均等に熱が回ります。
 また、電子レンジでの温めすぎはお米が固くなってしまうので禁物! 一度お米が固くなってしまうと、元には戻せなくなります。そのため、慎重にいきたい場合は最初は少し加熱時間を控えめにし、もし不十分なときは10~20秒程度追加で加熱するといいでしょう。

おすすめ方法②フライパンで炒め、香ばしい香りをプラス!

 フライパンを使った解凍は、炒飯の香ばしさを楽しみたい方にぴったりです。冷凍炒飯はすでに油でお米一粒一粒がコーティングされているため、油を追加する必要がありません。凍ったままの状態で炒めていくことで、風味を保ちつつ調理できます。
 フライパンで解凍するよさの一つが、「なんだかすごい炒飯が作れている」という錯覚になることです。すでにパラパラの炒飯なので、フライパンをふって炒めていると炒飯のプロになった気分を楽しめます。冷凍食品を温めているだけなのに、料理上手気分を味わえますよ!

手順:
①火をつける前に凍ったままの冷凍炒飯をフライパンに広げます。

②フライパンを強火で熱し、少し放置してパチパチと音がしてきたら、全体をかき混ぜながら炒めていきます。

③均等に熱が行き渡るまで、全体を混ぜながら炒めたら完成。

ポイント:

 炒めすぎには注意が必要です。冷凍炒飯はちょうどいい炒め具合のものを急速凍結しているため、炒めすぎるとお米が固くなってしまいます。
 また、具材が多い冷凍炒飯は、フライパン調理にはあまり向きません。特に大きなえびやチャーシューがゴロゴロ入ったものは、具の中に火が通りにくいため、「お米は炒め過ぎなのに、具は火が通っていない」という状態になりかねません。電子レンジ調理するか、もしくは具のみ電子レンジで先に加熱してから、フライパンで仕上げるのがいいでしょう。

おすすめ方法③ドーム型×レンチンでしっとり仕上げる

 しっとりとした仕上がりがお好みの方には、深さのある耐熱容器を使い、ラップをかけて電子レンジで解凍する方法がおすすめ。この方法は、容器内に熱をこもらせて解凍するので、しっとり柔らかい食感が楽しめます。ラップをすることで水分の蒸発を防ぎ、加熱時間が長くてもお米が固くなることがありません。

手順:
①深さのある耐熱容器に冷凍炒飯を入れます。

②ラップをふんわりとかけ、蒸気が抜けるように端を少し開けておきます。

③電子レンジで加熱します。※加熱後はかなり熱くなっているので、やけどに気をつけてふきんなどを使い取り出しましょう。

加熱時間は600W 5分程度を目安にしてください(冷凍炒飯の量や容器によって異なります)

ポイント:

 加熱後、器をひっくり返して「ドーム型」に盛り付ければ、まるでお店で出てくる炒飯のよう! 
 冷凍炒飯はラップをせずに平らに盛ってレンチンすることが多いと思いますが、この方法だと水分が飛びやすいため、すぐに食べないとお米が固くなりやすいのです。しかし、ドーム型にすると中に蒸気がたまって水分がとどまりやすくなり、さらに熱が逃げにくいので、温かさを保ちながらゆっくり食べられるのもいいところです。

解凍ミス知らずで、冷凍炒飯を楽しもう!

 最近では、商品の袋のまま電子レンジで解凍できる冷凍炒飯も登場しています。袋に少し切り込みを入れてそのまま加熱するだけで、内部が均等に温まり、固くなりづらいという利点があります。
 注意したいのが、一般的な冷凍食品のパッケージには、アルミ蒸着フィルムが使われているものが多いことです。袋の内側が銀色になっているものがそれにあたりますが、その袋のまま電子レンジで加熱すると、電子レンジの中でスパークする恐れがあります。危険なので絶対にやめてください。冷凍食品は必ずパッケージの調理方法を確認するようにしてください。

 冷凍炒飯は味や香ばしさ、炒め製法など、近年さまざまな進化を遂げていて、本当においしい商品がたくさんあります。でも、解凍に失敗すると、おいしさが損なわれてしまって残念ですね。うまく解凍するコツを身につけることで、さらにおいしく、満足度の高い冷凍炒飯を味わうことができます。ぜひ紹介した解凍方法を参考にしてみてください!

記事の監修者

西川 剛史
西川 剛史冷凍王子/冷凍生活アドバイザー
高校生のころから冷凍食品に興味を持ち、冷凍食品会社に就職。冷凍食品の商品開発などの経験を生かし、現在は冷凍専門家として活動中。テレビ番組「マツコの知らない世界」「ヒルナンデス!」「王様のブランチ」「NHKごごナマ」など、その他テレビ、雑誌などに多数出演。
プロフィール詳細はこちら(https://vefroty.co.jp/profile/)