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【青森】冷凍ほたて製造工場に潜入! 水揚げ編&工場編

2025年8月10日

 青森県はほたての名産地で、おいしいほたてが獲れます。

 今回は青森県の陸奥湾にある後潟漁港を訪問。水揚げから、工場で冷凍加工するまでを取材しました。

▼▼ YouTubeの動画もぜひご覧ください!▼▼

撮影取材協力:成邦商事株式会社後潟漁業協同組合

【水揚げ編】


【工場編】

朝3時、陸奥湾の後潟漁港へ!


 青森県の陸奥湾の後潟漁港にやってきました。ほたての水揚げを見せていただくため、時間は午前3時、周囲はまだ真っ暗です!

 陸奥湾は山に囲まれた立地で、栄養たっぷりの雪解け水が海に流れ込みます。その水が良質なプランクトンを育て、それを食べたほたても甘くおいしく、旨みたっぷりに育ちます。加えて、涼しい気候と内海の穏やかさが、ほたての生育にぴったりの環境なのです。

 漁港で待っていると、ほたてを積んだ船が続々と入ってきます。漁師さん達は午前1時くらいから出港しているようで、本当に朝早くから働かれていますね。


 水揚げされたほたては、すぐに洗浄機で洗われます。穴のあいたドラムのような機械が回転しながらホタテを洗っています。小さいサイズのホタテは穴から落ちるため、選別も兼ねているようです。



 洗浄が終わると、どんどんトラックに積み込まれます。大量のほたてがまるで滝のようにざらざらと積み込まれていく様子は圧巻です。

ほたて漁師さんに突撃!


 漁師さんにお話を伺うことができました!

 こちらでは「カゴ式養殖」という、ネット状のカゴにほたて貝を入れて海中に吊るす方法で、ほたてを養殖しているそうです。カゴの引き上げはかつては手で行っていたと言いますが、現在は巻き上げ機で巻き取って船に引き上げます。機体化されてはいても、かなりの重労働です。漁師さんのおかげと冷凍技術のおかげで、全国でおいしい青森ほたてを食べることができるので、感謝ですね!


 例年は3月20日頃から7月第2週目ぐらいまで、時化の日以外は毎日船を出されています。水温が高くなると死んでしまうほたても出てくるため、夏場までに出荷を終わらせないといけないため、漁の時期も限られています。

 今年のほたての状況について伺ってみると、「貝類全般に身もよく、味もおいしい」と漁師さんのお墨付きです! 


 水揚げされたほたてがトラックいっぱいにたまったら、すぐに工場へ運びます。

いざ、冷凍ほたて工場へ! 加工工程を紹介

 ほたての冷凍加工を手がける成邦商事さんの工場にやってきました。

 着替えや手洗いを行い、工場の中に潜入。さっそく加工の工程を見せていただきます。

工程① ほたての受け入れ


 先ほど港でほたてを積み込んだトラックが、工場内に入ってきました。大量のほたてが搬入口に入れられて、どんどん下の方に吸い込まれていきます。

工程② 水洗い

 ドラム状に回転する機械を通しながら、汚れを落としていきます。

工程③ スチームで蒸す

 次はスチームで蒸す工程へ。蒸しの工程で一番重要なのは蒸し加減です。蒸し時間が長すぎると旨みが流出してしまい、食感も硬くなってしまうため、季節やサイズに応じて蒸し時間を調整。ベストな蒸し加減にすることでレア感が残り、ほたて本来のおいしさや甘みが最大限に引き出されるのです。硬くなりがちなヒモ部分も柔かな食感に仕上げるのが、成邦商事さんのこだわり!

 蒸した後のほたては、振動をかけられて殻と身を分離していきます。

工程④ ほたての冷やし込み

 スチームをかけたあとのほたては高温になっています。こちらを冷たい水で冷やし込むことで旨みを閉じ込めていきます。

工程⑤ ウロ取り・塩水で洗う


 ほたての内臓を除去するウロ取り作業に移ります。黒っぽい塊がウロ(ほたての内臓)で、ここは食べられません。手作業で丁寧にウロを取り、その後塩水で洗浄します。この作業は多くの従業員の方が手作業で丁寧に作業をされていました。大量に機械で処理して生産性を上げつつも、人の手を使った作業も残すことで、より高い品質を実現しています。


 今回は特別に、ウロ取りした後の冷凍する前のほたてを食べさせていただきました! 加熱後も、プリっとして生のような艶やかさがあります。食べると旨みが溢れ出て、噛めば噛むほどその味わい深く、贅沢な味わいです。

工程⑥ トンネルフリーザーで急速凍結!

 この後、いよいよ冷凍の工程へ。こちらの工場では「トンネルフリーザー」という、マイナス40℃のトンネル状の急速凍結機の中を通過させて、一気に凍らせています。トンネルフリーザーは工場によって長さが異なるのですが、こちらのトンネルフリーザーはなんと約40メートル! かなり大きな機械です。

 入り口のところでは、人の手を使ってほたてをばらけさせています。手作業で丁寧に、重ならないように並べていくことで、均等に冷凍することができます。

 ほたてを置くベルトは金属で、金属は温度の伝達が早いのでスピーディーに凍らせることができます。また、ほたてにコンベアの跡が残らないので見栄えもよく仕上がります。


 トンネルフリーザーを出たほたては、カッチカチに凍っています。大量のほたてを一気に冷凍し、どんどん搬送、パックすると…。

 冷凍ほたて、「うま蒸しベビー」の完成です!

 水揚げから見学させていただくと、この小さい1粒1粒においしさが、そして思いがこもっていることがよくわかりました。この商品は1袋にたっぷりに入っているので、いろいろな食べ方で楽しむことができそうですね。

冷凍ほたての試食、アレンジレシピも

 さっそく試食させていただきました!

 解凍しても瑞々しさがあり、見た目にもおいしそうです。実際に食べてみると、旨みがぎゅっと凝縮されていて、とてもおいしい。貝柱の部分はシンプルにおいしいのですが、ヒモの部分も噛めば噛むほど旨みが出てきます。違った部位を両方楽しめるのもポイントが高いです。



 そのままでもおいしいのですが、おすすめのアレンジは「バター醤油焼き」。解凍したほたてをバターと炒め、仕上げにちょっと醤油を垂らすだけで完成です。ほたてに旨みがあるので、あまり加熱しすぎないのがコツです。



 成邦商事さんのほたてを使った別商品「ほたて貝焼きみそ」もチェック! 

 ほたて貝焼きみそは青森の郷土料理ですが、それを電子レンジ調理で簡単に作れるという商品です。一度電子レンジで加熱し、途中で溶き卵を入れてかき混ぜ、もう一度加熱して仕上げにネギをのせれば完成です! 

 ほたてそのもの旨みはもちろん、出汁もたっぷり出ていて、それが卵と味噌に絶妙にマッチ。味噌も津軽味噌を使っており、コクや風味のある味わいで最高においしいです。青森の郷土料理が簡単に楽しめる、とても素晴らしい商品ですね。

こだわりの冷凍ほたてを召し上がれ!

 今回、冷凍ほたての水揚げから加工までを見学させていただき、生産者や工場のこだわりを感じることができました。

 陸奥湾の栄養たっぷりなほたてをスピーディーに急速凍結することで、青森県外の全国に、このおいしさを届けてくださっています。

 丁寧に作られた冷凍ほたて、ぜひみなさんも食べてみてくださいね!

記事の監修者

西川 剛史
西川 剛史冷凍王子/冷凍生活アドバイザー
高校生のころから冷凍食品に興味を持ち、冷凍食品会社に就職。冷凍食品の商品開発などの経験を生かし、現在は冷凍専門家として活動中。テレビ番組「マツコの知らない世界」「ヒルナンデス!」「王様のブランチ」「NHKごごナマ」など、その他テレビ、雑誌などに多数出演。
プロフィール詳細はこちら(https://vefroty.co.jp/profile/)